NGO代表としてグリーンピースが発言――サンティアゴIWC総会で

“IWC総会で発言するグリーンピース・ジャパンの花岡和佳男。(C) Greenpeace IWC総会で発言するグリーンピース・ジャパンの花岡和佳男。(C) Greenpeace

チリのサンティアゴで開催中の第60回国際捕鯨委員会(IWC)総会で25日、NGO(非政府組織)に意見表明の機会が認められ、日本からは国際環境NGOグリーンピース・ジャパンを含む2団体が意見を述べました。グリーンピース・ジャパンの花岡和佳男は「調査を名目とする捕鯨は許されるべきでない。鯨類の調査を行う上でクジラを殺す必要はないので、科学の名を乱用した国際捕鯨取締条約のほころびは塞がれるべき」と主張し、調査捕鯨の即時中止を求めるとともに、国際捕鯨取締条約を、国際的な環境と海洋法の原則に則し、透明性と信頼性と予防原則をあわせ持つ、今の時代に合ったものにしていくことが必要」だと発言しました。

花岡和佳男のスピーチは以下のとおり

Thank you Mr. Chairman.
My name is Wakao Hanaoka. I work for Greenpeace in Japan.
I am speaking today with Mona George-Dill, President of the Eastern Caribbean Coalition for Environmental Awareness on behalf of the NGOs listed on the written statement.
I will speak in Japanese, and Mona will speak in English.

日本の福田総理は、洞爺湖G8サミットの開催を目前にした世界へ向けてのメッセージの中で、「豊かな自然が溢れる北海道洞爺湖に、各国の首脳をお迎えし、より良い世界の実現への展望をひらく、実りある討議ができることを楽しみにしています。」と言われています。

私たちも福田総理のメッセージにおおいに賛同し、G8サミットがよりよい世界の展望をひらく討議となることを願います。また同様に、第60回を迎えるこの国際捕鯨委員会でも、良い展望がひらかれることを願っています。「人生は60歳から」と言います。21世紀の鯨類保護のため、条約の変革がなにより大切です。

2008年。今、私たちの世界と海は、この国際協定が定められた40年代のころとは大きく違ってきています。人間の様々な活動が地球に大きな影響を与えてきました。その波の下で、乱獲、汚染、気候変動などの複合的な影響によって、そこに棲む生物の生息環境やエコシステムが変わってきています。

この60年間を振り返ってみてください。20世紀、クジラの生態系がどれほどの危機をむかえたことか。シロナガスクジラ、ナガスクジラ、イワシクジラは乱獲され続け、特にシロナガスクジラは絶滅寸前の状態にまで追い詰められました。その間、IWCの管理のもと、商業捕鯨は、持続可能とはほど遠く、その活動は規制不可能であることを繰り返し証明してきました。

そのような管理の失敗を救済したのが、モラトリアムでした。

21世紀、私たち人類は、過去の過ちから学び、鯨類の乱獲から保護へと潮流を変えていく能力があること証明するべきです。

すでに広く認められている21世紀の鯨類の「持続可能な利用」とは、商業捕鯨ではなく、ホエールウォッチングです。私たちは力を合わせてクジラを保護し、個体数の回復を広い範囲で確保するべきです。

そのために、国際条約も時代に合わせていく必要があります。鯨類を持続的に保護していく計画を立て、気候変動など現在と未来の危機要素を含め考えていかなくてはいけません。また「調査」を名目とする捕鯨は許されるべきではありません。そもそも鯨類の調査を行う上でクジラを殺す必要はないのですから、科学の名を乱用した条約のほころびは塞がれるべきでしょう。そしてこの条約を、国際的な環境と海洋法の原則に則し、透明性と信頼性 と予防原則をあわせ持つ、今の時代に合ったものにしていくことが必要です。

1972年と1974年、あるコミッショナーは年次会議の場でこう発言しました。

「IWCは、世界に対する大きな義務を放棄した者達として、また数千頭の鯨類の未来ではなく数名の捕鯨関係者の利益を追求した者達として、歴史にその名を残すであろう」

この国際会議に出席する全ての団体が、潮流を変えるためにこの一週間の会議中に行動を起こす必要があります。そして、もし私たちの子供が今から60年後、IWCのコミッショナーだったら、2068年の年次会議で彼らはこう言うでしょう。

「IWCは、危機に立ち向かい、保護を進める機関となり、絶滅寸前のクジラ種を回復させ、海洋の生物多様性を保護する道を確立した委員会として歴史にその名を残すであろう。そして私たちは今日の健全で生命力溢れる海を誇りにする」と語るでしょう。

私たちは時代に合ったIWCが、21世紀の世界の海洋で鯨類の保護することを希望します。

そして、IWCに集った全ての人が、透明性と信頼性を重視し、発言の自由の重要性を擁護することを希望します。

本日はこのような発言の機会をいただき、委員会に感謝します。有難うございました。

議長、有難うございました。


[ プレスリリース全リストへ | プレスリリース講読]