2008年3月6日
南極から箱詰めされて運ばれる鯨肉(C)Greenpeace
【東京】スーパー業界や寿司チェーン業界の大手企業は鯨肉販売に消極的であるか、または販売しないとしていることが、国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンが行った鯨肉販売動向のアンケート調査(注1)によって明らかになった。この調査結果は、グリーンピース・ジャパンが本日3月6日からロンドンで開催される国際捕鯨委員会(IWC)中間会合(注2)に合わせて発表したもの。
アンケート調査は、昨年11月18日から今年2月21日までのあいだに行われ、スーパーや寿司チェーン店、居酒屋、百貨店など一般消費者に直接かかわりのある食品販売業界のトップ企業5〜7社を選び、グリーンピースが電話とファックスで問い合わせたもの。問い合わせを行った全24社中14社から回答があった。質問内容は「鯨肉を販売していますか」といった販売状況の質問や、「鯨肉に関わる環境問題及び国際問題をご存知ですか」のような捕鯨問題の認知度に関するものまで聞いている。
スーパー業界最大手イオングループのイオン株式会社は、国内約390店舗中、捕鯨と縁の深い地域(52店舗)以外の店舗では鯨類商品を一切販売しないとしている。また、株式会社イトーヨーカ堂や株式会社西友はそろって、鯨肉の販売はしていないし、今後その予定もないと回答した。株式会社ダイエーは現在、年間1億円相当の鯨肉を販売しているが、今後の鯨肉需要については「微減」の見通しと答えている。
寿司チェーン業界にもスーパー業界と似た傾向が表れており、業界売上げ1位のカッパ・クリエイト株式会社は、鯨肉に関わる問題を認識していて、現在も今後も鯨肉の販売予定なしと回答。業界第6位の「廻転寿司アトムボーイ」などを経営する株式会社アトムは、約半年前から鯨肉の販売をしているが、その需要は「皆無」とし、今後の販売を打ち切ることを明らかにしている。
「この調査が示すように、国内の鯨肉需要は実のところ風前のともし火で、関係企業は鯨肉販売に極めて後ろ向きだ」と、調査を行ったグリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当の花岡和佳男は語り、「日本政府が推し進める商業捕鯨再開の建前が崩れていることは明らか」と調査結果を分析した。
また、IWC中間会合に参加しているグリーンピース・ジャパン海洋生態系問題部長の佐藤潤一は、「日本政府は南極海での調査捕鯨妨害批判に躍起になっているが、これからの『捕鯨』をどうするかという問題に冷静に取り組むときが来ている。国内の需要が伸びない鯨肉の必要性と調査捕鯨の意味そのものを問い直す必要がある」と述べ、一方でグリーンピースは人に危害を与える暴力行為には反対との立場を示した。
(注1) :
レポート『鯨肉販売動向調査結果』(PDFファイル188KB)
(注2) IWC 中間会合 :
IWC年次総会前に加盟国やNGOが集まり、IWCの現状を変えて議論を前に進めようという会合。今年はロンドンで開催される。
お問い合わせ: 海洋生態系問題担当部長 佐藤潤一 海洋生態系問題担当 花岡和佳男 広報担当 村上京子
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