2003年6月4日付
日本の原子力発電所から出た高レベル放射性廃棄物輸送船が現地時間6月4日、フランスのシェルブール港から出港する。高レベル放射性廃棄物の返還輸送は今回で8回目。
世界中の多くの国々が核物質の海上輸送に反対、抗議している。海難事故での放射能放出、テロリストによる攻撃などは大惨事につながる可能性がある。事故は多くの島国にとっては観光・漁業への大打撃となる。グリーンピースはこうした核物質の海上輸送は、地球規模の脅威である、と反対している。
フランスのエビアンで開催されたG8サミットでは各国のリーダーたちが核拡散を脅威とし、また国際テロとのたたかいに言及した。しかしフランス政府も日本政府も航路によっては2万キロメートルに及ぶ“浮かぶ汚い爆弾”の輸送を強行している。“汚い爆弾”とは放射性を帯びた爆弾で、核廃棄物などを容器に入れて火薬で爆発させるなど、放射能汚染を狙った爆弾のこと。高度な核兵器開発の技術・資金を持たないテロリストが強奪の対象とするのではないかと危惧されている。
今回使用される核輸送船パシフィック・スワン号(英国船籍約5,000トン)が航行する航路は公表されていないが、過去7回の輸送で4回までがカリブ海〜パナマ運河ルートが使われた(注1)。ホーン岬(南アメリカ)、希望峰(南アフリカ)ルートに比べ短く、従って最も安上がりとなるため、今回もこの最短ルートが使われると考えられる。日本の使用済み核燃料から高レベル放射性廃棄物を取り出したコジェマ社(フランス)は、ルートは出港後、公表するとしている。
この輸送は、輸送ルート沿岸諸国政府からの反対があるために、数ヶ月延期されてきた。輸送の当事国である日本とフランスの計画にとって大きな障害となっているのは、領海内を通過する核物質の輸送には議会の承認を義務づけているチリの議会決議と、核物質の輸送を禁じる法案がパナマで提出されていることが挙げられる。78か国が参加しているアフリカ・カリブ・太平洋(ACP)グループの声明は「我々は、この核(ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を指す−グリーンピース注)やその他の危険物質のACP諸国周辺海域の通過に対し、強い反対を表明する。我々は、持続可能な開発と人々の健康に深刻な脅威となりうるいかなる事故発生をも防ぐために、このような行為を直ちに中止するよう求める。」としている。太平洋の島国バヌアツは今年2月18日に輸送3国を非難して「脆弱な太平洋の島国の経済に対し、傲慢で、新植民地主義的態度である。」「バヌアツ共和国は太平洋に次のチェルノブリはいらない。」と声明で述べている。(出典「国際的な反対」)
「世界に“核の恐怖”をばら撒いているのは誰か?と問われれば、それは日本です、と答えます。日本政府が青森県に核のゴミを押し付けるているその構造とまったく同じ構造で核汚染の脅威を輸送ルートの国々に押し付けているのです。核をなくしていくことは、平和な世界の構築に不可欠です。核物質の輸送は止めるべきです。」とグリーンピース・ジャパンの核問題担当鈴木かずえは述べている。
注1 参考サイト 主なプルトニウム(MOX)・高レベル放射性廃棄物の日本への国際輸送
詳しくはグリーンピースジャパン核問題Webサイトをご覧下さい。
お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
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電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817
核問題担当 鈴木かずえ
広報担当 城川桂子
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