top_logo.gif 米国から、ダイオキシン・廃棄物問題の専門研究者が来日。
約二週間、全国の現場を視察して住民運動と交流。
今後私たちが問題にどう取り組むかを考える機会に。




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脱埋め立て、脱焼却! それに代わる市民の選択を!
ポール・コネット博士アジアツアー

ツアー報告●第10日目

東京・日の出 (7/5)




都内の焼却炉群、そして竜ヶ崎の象徴的な新旧の焼却炉を見てきて、今日7月5日は早朝代々木を発ち、焼却灰などが運び込まれている西多摩郡日出町の最終処分場へ向かいました。午前中は処分場視察、午後は交流会、そして夕方には講演会が行われました。


処分場視察

現地の市民団体「たまあじさいの会」と議員の方の取り計らいのおかげで、特別に処分場内の視察が実現しました。始めに一時間近く、処分組合の担当者からの説明(途中からコネット氏の質問攻めになってしまった)がありました。

コネット氏が特に懸念したことの一つは、飛灰がそのまま持ち込まれていること。 「飛灰は焼却灰と分けてあるのか」と聞くと、組合の担当者は「分けている」といいつつ
「2002年の12月までは、分けられないものはそのまま搬入することになっている」といい、
実態は今も飛灰の混ざったものがそのまま搬入されているのでした。

焼却灰というとダイオキシン問題に焦点が偏りがちですが、コネット氏が指摘したもう一つの重要な点は、灰中の鉛です。アルカリ度が高いほど、灰中の鉛が溶出する危険が高くなっていきます。
懸念の理由は、今の焼却炉では石灰を入れる方法を採っていて、これによって灰のアルカリ度(pH)が高くなってしまうことです。

ビデオやパンフレットでは(危険な)浸出水や化学物質による環境汚染を防ぐための様々な機能が紹介されています。
有害な灰を持ち込むために、1.5mの遮水シートの上下に何層にもマットや土を敷き、浸出水の処理施設をつけ、20m間隔でオンラインの電気伝導感知(確実に感知できるかどうかは別)装置を置き、自動的に止水する(できるかどうかは別)システムを設ける。
コネット氏の関心はこれらの設備に掛けた費用。
様々な装備を施した結果、処分場の総工費は500億円にも上っています。桁違いに高額な焼却炉でごみを燃し、高価で危険な灰を生み出し、それを500憶円の処分場に持ってきて有害物質の漏出を絶えず警戒しつづけなければならない。
コネット氏の言う「間違った問い」に対する「間違った答え」の極致です。

このあと二ツ塚処分場の中を車で20分程案内していただき、コネット氏は、ビデオを構え、所々で車を止めてもらって質問をしながら処分場の中の様子を収録しました。


交流会

交流会に先立って、住民運動グループが撮影した処分場のビデオを見せてもらいました。
コネット氏が感嘆したのは、旋回するビニール袋を追いかけた映像です。ビニール袋は何回も処分場の上空を行ったりきたりして、もう地上に落ちるかと思うとまた舞い上げられて飛ばされたりしながら、最後は処分場を囲む森の向こうに見えなくなりました。処分場に吹く風によって、投棄された灰が舞い上げられ周辺環境を汚染していることを物語る映像です。
コネット氏は「住民運動がこのような実証を撮影しているのは本当にすばらしい!」といっていました。

交流会では、主催者の方々を始め日の出処分場問題について運動をしてきた40人ほどで手作りの夕食を頂きながら(使い捨ての容器は全く使っていない!!)、これまでの現地の運動の経過と現在の取り組み、アメリカの運動状況などの意見交換ができました。
コミュニティー・オーガナイザー(環境破壊のおきている地域に入っていき、地域住民と話し合いながら住民運動を組織する人)の経験をもつタングリ氏は、日の出町処分場問題解決住民プロジェクトの作成した「市民対話のためのアジェンダ」に強い印象を受けた、といいます。


講演会から抜粋

  • (二ツ塚について:コネット氏の感想から)

    広報に関する説明はとてもよくできていたのですが、化学的な説明はさほどではなくて、特に鉛汚染については懸念があります。全体として○○管など装置に偏っていました。
    鉛に付いて私はとても懸念していたので、もし鉛など規制物質が基準を超えたらどうするのですかと聞きましたら、
    「排水処理設備と建てて汚水が出て行かないように努めます」と組合の方は答えました。
    それで私が「では、基準を超えるのを待って施設を建てるのですか?」と聞きましたら、
    「そうだ」という答えが返ってきました。
    「では、施設を建てるまでの間はどうなるのですか?」と聞きましたが、答えは返ってきませんでした。

    500億円という数字はショックでした。

  • (ビニールの飛び去る映像を見て)

    風に飛ばされるという意味では、一番小さいもの、例えば重金属やダイオキシンが、もっとも危ないのです。
    これらこそ大気を通じて肺へ、そして血流に入り込むのです

  • 現地は、市民が組織化していて、科学のバックアップがあり、実態を記録するビデオ撮影があり、文書も出している。市民が環境を守っているという印象を私は強く受けました。

    運動に関わっている女性が増えていることも私の希望のひとつです。女性は子どものためには絶対に妥協しませんから。

  • ごみ問題は、"どのようにしたら廃棄物を出さずに済むか" そして "誰が意思決定するのか" という二つの問いに集約することができます。
    行政がごみ問題を解決法を取り入れようと思った時、多くの場合、まず専門家に委託し、その結果を市民に押し付けてしまいます。これが間違いの元なのです。行政はまず、住民に相談すべきなのです。
    そして住民が専門家に相談して案を作っていくこと、これが秘訣です。

    政府は答えを用意してはくれません。草の根の運動が地域から自分達の手で変えていくしかないのです。
    その為にネットワークを組み、電話、視察、会議、直接行動、ニュースレター、ビデオなどの様々な手段を駆使するのです。
    私がいつも現場に持って行くビデオも草の根をつなげ、問題を世界に発信するる強力なツールです。

  • 市場経済の発展が重視され、これまで消費の増大に比例して幸福が増すと見られていました。けれど、実際は消費の増大に比例したのは必ずしも幸福ではなく、廃棄物の増大だったのです。

    法が悪いとは政府の腐敗が進むほど環境が悪化していきます。よい法とは市民の参加が進むほど環境が改善するようにできているものでなければなりません。

  • 豊島区の185億円、渋谷区の60億円といった焼却炉の費用を聞いてきましたが、これらは地域社会の発達には乏しいものしか残しません。施設に費用を掛ければそのお金は地域から出ていってしまうからです。
    廃棄物問題の解決策の特徴には次のような点が上げられます。

    ・簡易(単純)であること
    ・地域を越えないこと
    ・地域の経済条件に合わせてデザインされていること
    ・地域の発展に組み込まれていること
    などです。

  • (最後に、「処分組合の方から今日コネット氏が講演で何を言ったか教えてほしいと言われていますが、どう伝えましょう?」という質問がありました)

    市民が参加できないということは、民主主義の問題です。正しければ何も隠す必要はありません。
    ここに職員の方が来られないのは、そこに何か問題があるからではないでしょうか。

終了後、主催者、参加者の皆さんとの会話の中で、今後日の出から情報発信をするためのホームページの構想が語られたり、全国の草の根をつなげるネットワークや、世界のネットワークへの参加など、今後の活動について様々な意見交換ができました。
コネット氏の日本ツアー最後に訪れた日の出も、とても中身の濃い一日となりました。

* エッセンシャル・アクション連絡先
 ホームページ:http://www.EssentialAction.org/
 電子メール:action@essential.org




[以上、1999年07月05日作成報告]


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