top_logo.gif 米国から、ダイオキシン・廃棄物問題の専門研究者が来日。
約二週間、全国の現場を視察して住民運動と交流。
今後私たちが問題にどう取り組むかを考える機会に。




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脱埋め立て、脱焼却! それに代わる市民の選択を!
ポール・コネット博士アジアツアー

ツアー報告●第7日目

東京 (7/2)




今日は、世界一の焼却都市東京で、一般廃棄物焼却場の視察を行いました。訪問したのは練馬区石神井の清掃工場、池袋にある豊島清掃工場、そして建設着手されてしまった渋谷区の清掃工場です。


練馬清掃工場(石神井)

ここでは住民運動の方々の尽力と施設の方の協力により、説明の時間や、焼却施設の中を視察する機会をつくっていただきました。

  • 水銀放出

    焼却炉から排出される有害物質の中でも重要な問題の一つは水銀です。練馬の清掃工場では灰の中の重金属を処理する施設があるという説明がありました。
    「排ガスとともに排出される水銀はどう処理しているのですか」というコネット氏の質問に対する答えからは、排ガス中の水銀は除去するシステムが全くなく、そのまま大気中に排出されている実態が判りました。

  • 電気集塵器「300度以下は常識外」

    施設の説明の中で、コネット氏が非常に驚いたのは、排ガスが電気集塵器に入る時の条件温度。施設の方の説明では、300度(摂氏)以下に保っているとのことでしたが、コネット氏によれば
    「1985年以降に報告されてきたデータでは、電気集塵器に入る温度が200度台であればダイオキシンが発生してしまうということがすでによく知られている」そうです。
    「300度以下に設定するようにと厚生省が指導している」と聞きくと、信じられないという顔で首を振っていました。

    コネット氏は、説明会や施設見学の際にもビデオカメラを持ち込み、上記のやり取りや施設の状況を収めていきました。


豊島清掃工場(池袋)

豊島清掃工場は外からの見学。210mという世界で最も高い煙突をもった焼却場の全景を撮るために数百m手前でカメラを構えます。清掃工場を背景に住民の「こんな焼却炉を住民は決して望んでいない」「政府は住民の健康を守ってくれはしない」という証言をビデオに収めます。

最も高い煙突をもつこの豊島清掃工場は、コネット氏によればトン数当たりで世界で最も多額の資金が投入された焼却場でもあります。コネット氏が40カ国のごみ処理施設を視察した中で最も高いオランダの焼却炉建設コストの6倍だそうです。
「一日たった400トンのごみを燃すために180億円もの市民の税金を投入する、こんな愚かな話は聞いたことがない、大きな間違いです」
そしてここでは世界一高価な焼却灰が作り出されます。有害物質を生み出し、排出し、そしてその危険な焼却灰をただ埋立て処分場に埋めるために。


渋谷清掃工場

建設の開始された現場。先ほど見た豊島清掃工場からいくらも離れていないところにまた新しい焼却施設をつくろうとしている、住民は決して望んではいないのに、行政が決定しそれは強行されている。焼却炉問題として表面化してはいるけれど、元はごみ処理だけのことではなく、住民参加、税金の使い方、資源利用等々、基本的な原則が歪められているという印象を住民の方のお話を聞いていて強く受けました。


意見交換会

午後から行われた意見交換会から意見や議論を抜粋します。

  • 視察を終えてのコネット氏の感想から

    「東京の廃棄物行政を一言で言うならMad Burn Deseaseですね」
    狂牛病 "Mad COW Desease" を捩って、コネット氏は、東京の焼却行政を焼却狂 "Mad BURN Desease" と命名しました。
    世界で、ごみを燃すためにこれほどお金を投じる国は他にありません。これほど資源と市民の税金を間違った方法でを無駄にしている国も他にありません。

    「"東京" の廃棄物行政には "堆肥化" というものが存在しないんです。私は東京の廃棄物処理事業のあらましというブックレットを読みましたが、そこにはただの一言も堆肥化という言葉が書かれていないのです」このような税金の使い方をするような官僚はすぐさまその職を去るべきです。

  • 自分達の手でごみを処理する施設にしたい

    練馬で住民運動の方は、
    「私は、練馬の清掃工場の焼却を止めさせたくて運動しています。そして焼却をやめた跡を、地域で出るごみをリサイクルしたり堆肥化したりできる施設にしたいという夢があるのです。住民がそれに参加できるように皆で計画をたてていきたいのです」

  • WHO decides --- 誰が決めるのか --- タングリ氏のコメントから

    「今日、焼却炉建設反対運動をしてきた皆さんの発言の中で、 "反対運動をしたけれどすでに決まってしまった" という声があまりにも多いことが私には衝撃でした。
    すでに決まったというのはどういう事なのでしょうか。誰が決めたのでしょうか。
    それは住民ではない。
    行政が計画をたて、決定し、実行してしまう。そうして市民が自分達の手で地域社会をつくり、発展させ、守っていく機会が奪われていく。

    同じ脅威はいま、途上国でも起きています。
    日本の焼却炉メーカーあるいは外国企業と共同事業体によって、フィリピン、タイ、中国、インドなどに建てられています。しかもそれは日本の政府の海外援助という形で建設資金が流れていっているのです。
    国内でダイオキシンを始め焼却に関連してこれだけ多くの問題を引き起こしているにもかかわらず、さらに市民の税金を使って海外で焼却炉を建てている。これもやはり、現地住民の利益ではなく、特定の企業の利益に基づいた行政の一方的な決定と実施によるものです」

    「これは焼却問題だけではない、民主主義の問題なのです。
    多くの国の多くの地域社会が同じ問題に直面しています。共通の問題、共通の敵をもつ世界の草の根運動が連帯し、協力することによって私たち皆は勝利へ進んでいくことができます」

    「エッセンシャル・アクションでは焼却反対運動に必要な情報を提供し、国際ネットワークをつくっています。是非みなさんも参加してください」


    * エッセンシャル・アクション連絡先
     ホームページ:http://www.EssentialAction.org/
     電子メール:action@essential.org

    * 本日の東京都内視察と意見交換会は、「ポール・コネット博士と意見交換・交流会実行委員会」企画、ダイオキシン問題東京連絡会/渋谷・環境を守る連絡会/渋谷清掃工場差し止め裁判の会/止めよう! ダイオキシン練馬連絡会/豊島・健康と環境を守る連絡会/などの共催により行われました。


午後6時からは環境総合研究所(代表・青山貞一氏)主宰の環境改革行政フォーラムで意見交換・討論会の場を設けていただき、焼却という間違ったごみ処理手段にあまりにも巨額の税金が投じられていること、海外での脱焼却の成功事例、日本の海外援助によって焼却炉が "輸出" されていること等々、活発な議論が行われました。



[以上、1999年07月02日作成報告]


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