top_logo.gif 米国から、ダイオキシン・廃棄物問題の専門研究者が来日。
約二週間、全国の現場を視察して住民運動と交流。
今後私たちが問題にどう取り組むかを考える機会に。




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脱埋め立て、脱焼却! それに代わる市民の選択を!
ポール・コネット博士アジアツアー

ツアー報告●第5日目

所沢 (6/30)




6月30日、コネット氏とタングリ(エッセンシャル・アクション)氏は、50を超す産業廃棄物焼却炉の集中する所沢を、「止めよう! ダイオキシンさいたま実行委員会」の案内で午後から視察しました。そして、夕方からは、地元で活動する市民団体の方々が中心の、ディスカッションを主とした対話集会に参加しました。


現地視察

この日の約二時間の視察でも16の産廃処理場を目にすることになりました。
鉄の入れ物に煙突をつけただけのような作りの焼却炉や、敷地外に黒い焼却灰が流し出されている事業所、現在焼却を停止し、その代わり2mの高さの鉄の塀からあふれるほどの廃棄物を積み上げている事業所などを次々と見てビデオカメラに収めていきます。

処理場の集まるこの地域を移動する車は、両側の林の地面より一段高くなった道路を進んでいきます。これは公道に廃棄物を敷いて幅を広げた道路です。

狭い地域にこれだけ焼却炉が密集しているという実態は、これまで多くのダイオキシン汚染現場を歩いてきたコネット氏の目にも恐るべきものと映ったようです。
非常に環境汚染防止の措置がほとんどない低いレベルの技術で廃棄物を処理(焼却)しているにも関わらず、現地の業者の廃棄物の処理受け入れ価格は、アメリカでコネット氏が調べた価格の2倍からそれ以上にもなるということで、環境と健康を犠牲にした上でのぼろ儲けなのです。

所沢の野菜やお茶など地元の農産物からダイオキシンが検出され、その報道がなされたことによる社会のリアクションについてはコネット氏も聞いて知ってはいましたが、それ以前の問題として、
「これほど農地に密接したところに産業廃棄物焼却炉を造ることが許されること自体が許されない」と言い切りました。

「日本は世界のダイオキシン大気排出量の半分を占める汚染大国だが、なぜ日本の汚染がひどいのか、これで判った気がする」
環境や人の生活、健康を守ることを優先に考えることのできない日本の行政の姿がよく現れているということでしょう。


塩化ビニル廃棄物

比較的分別をしているように見える産廃処理場では、塩ビパイプ廃棄物の破砕をしており、それは中国、台湾に輸出されているということです。塩ビ被覆の廃電線や塩化ビニル廃棄物は有害廃棄物の越境移動を禁止するバーゼル条約の対象とするべきではないかということで現在検討がなされている廃棄物です。

日本は、国内でこれほどダイオキシン汚染が進んでいるのに「塩ビ廃棄物は有害廃棄物ではない」と主張していて、その代わりに途上国がリサイクルできるように技術援助をする、というのです。塩ビは塩素を含んでいるためリサイクルが難しいプラスチックで、可塑剤を多量に含んだ軟質塩ビなどは特にリサイクルを妨げます。


やってみよう!

夕方から開かれた地域住民との対話集会では、前半コネット氏から焼却問題についてのプレゼンテーションがあった後、焼却場の隣に住む方や農家の方々から現状報告や今後の運動の展開についての討論が行われました。
40カ国の草の根運動を訪ねて支援してきたコネット氏は、地域の運動の組み立て方についても多くの経験があり、ユニークな助言をいくつもしてくれました。その中からいくつか紹介します。

  • 産廃処理場や焼却に反対する意志を表明する看板を立てましょう。もしもそれを個人の庭先や畑に掲げることに少しためらいがある人は、家の郵便ポストなどに赤いリボンをつけてみましょう。
    それと同じリボンを、看板につける、そうすれば、看板を見た人は家々の庭先につけられた赤いリボンも産廃焼却反対の意思表示だとわかり、結果的に地域が団結して反対を表明していることを示すことができます。

  • 皆で目標を確認しましょう。「焼却炉をこの日までになくす」という目標をたてたら、その後、小さくても現実的な、そして将来の大きな目標の達成につながる目標を持ちましょう。そしてその小さな目標を達成できたらそれをみんなで分かち合いましょう。
    小さくても確実に前進していることが皆で共有できることが、次の力につながります。

タングリ氏の所属するエッセンシャル・アクションというNGOは、環境や健康、人権など人々が暮らすために欠く事のできない(エッセンシャル)なものを護るあるいは取り戻すために行動(アクション)をおこすことを活動の趣旨としています。
タングリ氏からは、世界で同じ問題に対してたたかっている草の根運動とつながるネットワークへ参加して、お互いの協力の戦術を考えようという呼びかけがありました。



[以上、1999年06月30日作成報告]


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