top_logo.gif 米国から、ダイオキシン・廃棄物問題の専門研究者が来日。
約二週間、全国の現場を視察して住民運動と交流。
今後私たちが問題にどう取り組むかを考える機会に。




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脱埋め立て、脱焼却! それに代わる市民の選択を!
ポール・コネット博士アジアツアー

ツアー報告●第4日目

京都 (6/29)




コネット氏の来日した目的のひとつは、日本の焼却炉メーカーによるアジア諸国への焼却炉輸出について調べることですより詳しく現状を知ること、そして日本国内NGOとも今後連携をとっていくために、今日は京都の地域自立発展研究所を訪問しました。

日本が海外への資金援助の形で融資した資金で、日本の焼却炉メーカーによる焼却炉建設が行われています。
コネット氏に同行して来日している、米国のNGOエッセンシャル・アクションのニール・タングリ氏は、焼却炉の途上国への拡散防止を担当しており、その問題点を概説してくれました。今日はエッセンシャル・アクションの作成した資料を抜粋する形で報告します。


工業先進国で市場を失う焼却炉ビジネス

焼却は米国や欧州で、人々の健康への深刻な脅威と環境汚染を引き起こしてきました。焼却炉に対する市民の激しい抗議と、環境汚染の取り締まりが次第に厳しくなってきたこと、これらが工業先進国において多くの焼却炉を閉鎖あるいは計画の白紙撤回に追い込んできました。
アメリカでは、1985年以来、300もの焼却炉の建設計画が中止されたり、白紙撤回されてきました。病院や自治体は、医療系および一般廃棄物の処理をより安全で経済性の高い代替手法で行うようになり、それにつれて焼却炉は急速に、廃れた技術になってきました。


新たな市場 "開発途上国"

この結果多くの焼却炉メーカーは、焼却炉に伴う健康や環境への深刻な脅威や、焼却に代わる処理手法の利点が知れわたっていない海外の市場を標的とするようになっています。新興工業経済(NIES)国家、特に韓国、中国、台湾とフィリピンは増大している廃棄物を簡単に "処理" する方法を探しています。
焼却炉メーカーは今、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国に、この有害技術を売ろうとしているのです。

「北」の諸国全体で焼却炉の市場が狭まってくるにつれて、医療廃棄物焼却炉は南の国々へ殺到するようになってきました。焼却炉メーカーの参入は、多国籍焼却炉企業や、世界銀行などの国際金融機関、「北」の政府の対外援助機関によって支えられています。 現在、廃棄物焼却炉をアジア、ラテンアメリカ、アフリカ、太平洋諸国その他へ建設あるいは輸出する計画があります。


日本からアジア諸国への "焼却炉輸出"

日本でも、ダイオキシン汚染に対する市民の不安や反対などで、国内の焼却炉需要は落ち込んでいます。日本の議会、政府機関はダイオキシン排出基準をより厳しくすることによって廃棄物処理の部門でも規制を強めようとする方向にあります。
ダイオキシンによる環境汚染のため、国内ではこうした措置が進展している一方で、日本の焼却炉メーカーは、政府の海外援助機関の支援を受け、海外の新しい市場で焼却炉建設を促進し続けているのです。


税金による海外援助で建設される焼却炉

政府による融資や補助金、日本輸出輸入銀行(輸銀)・海外経済協力基金(OECF)・国際協力事業団(JICA)などによる援助事業は日本の産業に大きな影響力をもっています。

JICAはOECFが行う開発援助と連動し、発展途上国からの要請を受けてセミナー、調査報告、技術的援助を通常行っています。これらの調査報告が、結果として、日本の焼却炉産業にとって好ましいな市場を特定するという役割を果たしているのです。
日本企業が多くの焼却炉建設の競売で落札できるのは、日本政府がアジア諸国家に日本製の設備に投資するよう促すために運営している開発援助事業によるところが大きいといえます。

フィリピンの固形廃棄物処理設備市場について1996年の米国商務省の報告は「フィリピンの固形廃棄物処理施設のマーケットでは日本が75%、米国が25%のシェアを持ち、両国の独占市場となっている」と報告しました。
同年の医療廃棄物についての関連報告は、熱帯薬学研究所に建てられた医療廃棄物処理施設を含む「日本企業の建設による焼却炉はすべて」フィリピンへの「日本政府の[援助による]事業の一部だった」としています。

JICAが廃棄物焼却について積極的な立場であることはその提案からも見て取ることができます。
JICAの基本計画にある長期的目標には、フィリピン、ナヴォタスに建設される可能性のある埋立地と焼却設備との建設が含まれています。この焼却炉は2006年までに、まずは一日680トンのごみを燃やせる能力をもつことになっていて、さらに2010年までに一日3000トンまでに拡大される予定である。3,000トンといえばマニラが一日に出すであろうごみの約3分の1の量に相当するのです。


焼却炉輸出の問題点

  • 焼却は汚染(ダイオキシンや重金属の排出)と、持続可能な資源利用の両面で、環境上容認しがたいごみ処理手段です。

  • 途上国に建設される焼却炉は、最新の厳しい規制に見合うような条件のすべてを備えているとは限らず、また、規制が緩いかほとんどない国で操業されるという点で汚染の拡大を招くことにつながります。

  • もし最新の汚染防止装置などを備えた高価な焼却炉であっても、それが途上国で雇用創出や持続可能な発展などに投入されるべき公的資金が、焼却炉建設を行う多国籍企業やコンサルタント会社に吸い取られてしまうという経済的な問題があります。

  • 現地の既存のごみ回収、再生といった営みを焼却炉は打ち壊してしまいます。
焼却炉の侵出を止めるために、私たちは、焼却炉の企画を探り出して公にし、情報をお互いに共有し、廃棄物について環境に責任のある解決策を求めて、輸出国と(工業先進国)と輸入国(開発途上国)でともに連携していくことが必要です。


参考:Disastrous Development Aid- Japanese incinerator manufacturers push their product abroad by Vergil Bushnell, Multinationals Resource Center他




[エッセンシャル・アクションよりお知らせ]

もし、焼却炉が次々「南」へと移入していくことを懸念する方は、焼却炉産業がその汚染ビジネスを低開発国へ移行しないように情報と戦略を共有する、電子メールリストへ参加されることを歓迎します。リストはHCWH-South(Health Care Without Harm-South)と呼ばれています。
HCWH-Southを購読するには、mrc@essential.orgへ、お名前と団体名、電子メールアドレス、そして、焼却のうち特に関心のある領域を書いて(最も関心分野に近い情報をお送りできるように)メールをお送りください。電子メールをお持ちでない方は、お手紙をいただければ、必ず情報を提供し、また他の焼却反対活動家達とも連携できるよう計らいます。




[以上、1999年06月29日作成報告]


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