「原子力安全規制問題 国会プロジェクト」
原子力安全規制行政に関する「市民の提言」

2002年11月7日

発信元:原子力安全規制問題国会プロジェクト

連絡先:
原子力資料情報室
164-0003 東京都中野区東中野1-58-15寿ビル3F
TEL: 03-5330-9520 FAX: 03-5330-9530

原水爆禁止日本国民会議
101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2-11総評会館5F
TEL: 03-5289-8224 FAX: 03-5289-8223

原子力安全規制行政に関する「市民の提言」
──原子力安全規制の完全な独立を求める―

原子力発電に関してこの二ヶ月間に明らかになったことは、単に電力会社のモラルの欠如という問題のみではなく、市民の生活にとって「原子力は恐怖」であることを再確認させてくれた。原子力発電所たった1基の事故でさえ、チェルノブイリの事例が実証しているように広大な国土を居住不能とし、多くの人々の生命と健康を奪う。農林水産はもちろん、広くさまざまな産業に影響を与える。これを踏まえるならば、東京電力に端を発して次々と明らかになっている日本の原子力の不正は、世界中の人々の暮らしや経済活動に脅威を与えている。

東京電力の点検記録の不正は、分かっているだけでも17年以上に渡って続けられてきた。このことは電力会社内部の問題だけでなく、日本の原子力安全規制がまったく機能していなかったばかりか常に情報公開を妨げるほうに働いていたことを意味している。同様の不正は中部電力、東北電力など、他の電力会社へと広がりつつあるが、問題の性質からして、全電力会社に広がることは間違いない。いま必要なことは、広く長きに渡り原子力安全規制が機能していなかったことの原因究明と、その機能をきちんと働かせる制度改革である。ところが政府は、問題の根幹である原子力安全規制システムにメスを入れることなく、対処療法的な検査基準変更という形でこの問題を終わらせようとしている。このままでは「不正の根」はそのまま残ることになる。

このような安易な対策に終わらせず、この機会に根本的な原子力安全規制行政の改革が行われるよう、私たちは以下の提言を行う。

  1. 原子力安全・保安院を経済産業省の管轄から独立させ内閣府もしくは環境省の所管する外局とすること。


  2. ダブルチェックとされている原子力安全委員会の役割はいま極めて不明確であり、このさいに原子力安全・保安院と合体させ、原子力安全規制の機能を一本化すること。


  3. 以上の独立と機能の一本化を前提として、原子力安全保安院に原子力発電にかかる許認可権限を付与し、安全審査、安全研究、規制制度の整備などの機能とあわせて、立ち入り調査、運転停止、設備の廃止などの権限を明確に持たせること。


  4. 電力会社や原子力施設関連メーカーが保有する情報、原子力施設の運転や検査、補修などにかかる記録類は、コンピュータのデータまで含めて原子力安全・保安院がこれを保有、保管するものとし、常にそれらを公開できるシステムをつくること。


  5. 原子力安全・保安院の活動を客観的に評価する第三者委員会を設置し、ここには原発立地自治体の代表や原子力発電等に批判的な市民団体を含む広範囲な市民代表を参加させること。


  6. 原子力安全・保安院は原発立地自治体の立ち入り調査権を認め、これら地方自治体および市民への説明責任を果たし、積極的な対話をすすめるため、定期的な対話の場をつくること。


以 上

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