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 グリーンピースの捕鯨問題に対する考え方




グリーンピースのキャンペーン船アークティック・サンライズ号は、昨年(1999年)暮れから、反捕鯨キャンペーンのために南極海に派遣されており、この活動については、テレビや新聞でもいくつか報道されました。

サポーターをはじめ、ご支援くださっている方々でも、捕鯨問題に関する活動に、疑問や異論のある方は少なくないと思います。グリーンピースの、捕鯨問題に対する姿勢を申し上げます。


1) 日本の調査捕鯨は、科学に名を借りた商業行為です

IWC(国際捕鯨委員会)では、毎年、日本の調査捕鯨に対して、「捕殺するという調査手法をやめよ」という勧告が採択されています。これは、1946年に成立した国際捕鯨取り締まり条約が現状に即さなくなってきた中での、加盟国による、決定事項です。

この勧告を無視して行われている調査捕鯨によって得られたクジラの肉は、例えば1キログラム3270円(市販向け刺身用赤肉の場合)で卸されています。しかし、市場では100グラム1000円近いものから、高い場合は数千円で売られている例があります。このため、密輸・密漁によって利益を得ようとする違反行為がときどき摘発されることがあります。実態はその何倍もあるはずです。
このような状況を作り出しているのは、調査捕鯨で得られた鯨肉が、市場に流れを与えているからにほかなりません。


2) 公海資源は、国際的な了解の下に利用すべきです

南極海はどこの国にも属さない公海です。公海資源は、国際社会の共有財産です。
調査捕鯨が行われている海域はIWCによって、1994年にクジラの保護海域(サンクチュアリ)に指定されました。

いかなる理由であろうとも、共有財産の使用(調査を含む)に反対を述べる国があり、現行の協議方法で「捕鯨禁止」と決定したのであれば、決定に反した行為は批判されて当然です。


3) 日本の管理能力に関する懸念

日本という国の資源管理能力について、国際社会は不信感を抱いています。深刻な事故を起こしても「安全だ」「きちんと管理できる」等という事を繰り返している姿と重なるからです。むしろ「きちんと管理するから捕らせろ」といい続ける日本に対して大きな疑惑を抱いています。


4) 捕鯨問題は、地球資源の過剰利用に関する問題です

南極海での捕鯨は、1904年に始まりました。その後、主には北半球の捕鯨国が進出して1960年代まで盛んに捕鯨が行われましたが、1972年までにあいついで撤退していきました。そして、最後まで南極海での捕鯨を行っていた(いる)日本でも、1976年には、捕鯨会社はただ一社になってしまいました。それまで南氷洋捕鯨に参画していた大洋漁業(現マルハ)・極洋捕鯨(現極洋)・日本水産の3社の捕鯨部門を本社から切り放し合併させたのです。このとき大規模なリストラが行われました。

グリーンピースが始めて商業捕鯨に対するアクションを行ったのは1975年であり、ソ連の捕鯨船に対するものでした。日本の南極海での捕鯨に対する抗議アクションは、1988年冬の、調査捕鯨に対するものが初めてです。

これは、反捕鯨団体の登場を待つまでもなく、捕鯨産業が隆盛しクジラを捕り尽くし、産業が衰退していったことを意味しています。


5) グリーンピースの活動は、反・過剰漁業(商業捕鯨)です
 (鯨保護活動ではありません)

グリーンピースは、アラスカイヌイットなどに許可されている生存捕鯨に関しては、反対していません。生存捕鯨とは、「従来そのコミュニティが行ってきた捕鯨方法で、換金性を伴わない利用をする」場合に限って、頭数を制限して許可された捕鯨です。

今後、よほどひどい違反が行われない限り、この態度は変わらないと思います。
このことは、「クジラを一頭たりとも捕らせないこと」を最終目的にしてはいないという事を意味します。


6) グリーンピースは、人や人の財産を傷つけたりする行動はしません

グリーンピースは、いかなる場合でも、相手の体や財産を傷つけることはしません。映像で見るアクションを「過激」であると思う人もあるでしょうが、問題の所在に人々の関心を集めるための手法として、グリーンピースにしかできない行動ととらえています。

これは、ロシアによる日本海への核投棄を暴いたときも、フランスの核実験に対する抗議活動も、おなじ視点から発想しています。南極海という、人の目の届かない海域で行われる、国際的な勧告を無視した行動は、日本であろうと他国であろうと、広く知らしめられて当然だと考えます。

グリーンピースは、小型のゴムボートを使って、南極海での抗議行動を行っています。訓練を受けた経験豊富なスタッフを起用し、防寒防水のスーツを身につけての活動です。
この様子はヘリコプターから記録撮影し、世界に向けて発信しました。

それに対して、捕鯨船団からは放水を受け、ボートの乗組員が海に投げ出されることもありました。

捕鯨船団の乗組員が所属する全日本海員組合とも、「捕鯨問題には、お互いの主張を述べるにとどまったが、海上の安全確保について今後十分安全を確保した行うことで確認」しています。(水産経済新聞・99年10月26日)


7) 目的は、「日本叩き」ではありません

ヨーロッパでは、対ノルウェーの抗議行動が展開されています。北大西洋には多数の国がひしめき合っているため、反捕鯨国の神経を逆撫でているのです。

捕鯨問題については、日本叩きに見えて心中穏やかでないという方もおいでかと思います。もし、報道等で気になることがありましたら、いつでもご連絡下さい。誤報であれば訂正を求めますし、「心証が悪い」というご意見であれば、今後の活動計画に反映させていただきます。

今後も、商業捕鯨の問題だけでなく、他の地球環境問題に精力的に関わっていきますので、ご支援をお願いいたします。


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