皆さん、こんにちは。
私は今回、女神の氷像のプロジェクトを担当した宮地です。
2月15日に青森地裁で「クジラ肉裁判」の初公判が開かれます。これに合わせて、グリーンピースでは公正と法の下の平等の象徴である「正義の女神」の氷像を作ることにしました。
いざ氷像でアピール活動をするといってみたものの、氷像っていったいどこにどうやってお願いすればできるのだろうと頭の中で大きな疑問符が膨れ上がっていきました。しかも時間がないし、予算も見当がつかない……
ミッション・インポッシブル?!
いやいや、落ち着け自分!
まずは昨年、グリーンピースが札幌の雪祭りの際にお世話になった方に連絡して相談してみよう。札幌と青森、どんだけ事情が違うのかもわからず、「ちょっと遠いから駄目ですねぇ〜」と言われるかとドキドキしていたら、札幌の方は意外にも「できますよ」と簡単に即答。
ミッション・インポッシブルに思えた難事が、たった2秒で状況は大きく変わりました。
「できるかも……」心に希望の光が見えてきました。
このような氷の業者さんの支部というのが、札幌だけでなく南は仙台あたりまであるそうです。そこで、札幌の方からご紹介をいただいた青森の氷の業者さんにお願いすることに。
氷像のデザインはすでにモデルがありました。公平な裁判のシンボルとされる「正義の女神」像は、手には正邪を量る正義を表す天秤と、「剣なき秤は無力、秤なき剣は暴力」であり、法はそれを執行する力と両輪の関係にあることを表す剣を持ち、顔は布で目隠しされ、万人が法の前に平等である理念が象徴されています。
氷像の業者さんは見つかったものの、次なる問題は、女神の天秤をどのように表現するかということでした。
この天秤部分を同じ氷にしてしまうと目立たないので、ここだけ氷ではなく本物のような天秤を作り、氷像に持たせることにしました。しかし、持つ手は氷です。ということは、滑ります、溶けます、壊れます。
ここが、一番の難関となりました。氷の業者さんも一生懸命、天秤を持つ手の角度や天秤の持たせ方を考えてくださり、また天秤は映画の小物などをつくる別の業者さんにお願いすることにしました。
その結果、天秤の持ち手部分は氷を溶かさない布のヒモにして、重さも極力軽量化した素材を選んで天秤が作成されました。そして、本物の金属でできたようなリアルな天秤を作り上げていただきました。
よし、間に合いそうだ!
氷像が間に合いそうだということになると、さらなる注文が企画担当から出ました。調査捕鯨のクジラ肉横領疑惑を明らかにしたグリーンピースの「告発レポート」を氷に埋め込んで欲しいと。「調査捕鯨の組織的な不正は、まだ解き明かされていない、フリーズしたままだ」というメッセージにしたいというのです。なるほど、それは面白いアイデアだ。でも、今から対応可能なんだろうか?――またまた、氷像の職人さんに泣きのお願い電話をすることになりました。
そして迎えた本日2月14日、朝10時半から青森駅前公園で業者さんの最後の作業が始まりました。
一本の重さが約100Kg(!)もある氷柱を10本以上も搬入して、現場で土台部分が組み上げられていきます。女神の氷像も慎重に運ばれ、手にはあの天秤が取り付けられました。そして、最後に「告発レポート」と「Greenpeace」のロゴを土台の正面に埋め込んで完成です。
高校生カップル
その作業中、青森駅前公園に氷柱がトラックから運び出されたとたん、道ゆく人々は何が始まったのかと驚きの表情。雪国といわれる青森県でも氷の像は珍しいようで、小さなお子さんや買い物帰りのおばあちゃんまで、みんなが女神の氷像の前で記念写真を撮ってくれました。触って「冷たーい」とはしゃぐ子どもたち、中にはかじって食べようとする人まで!!
そして、皆さんにグリーンピースの活動をご紹介すると関心を示してくださり、いよいよ明日から始まる裁判への関心を高めていただくことができました。顔と顔を合わせて話すことで心のどこかにあった誤解が溶け、私たちの活動を理解していただけることがわかります。人と人との心のつながりがいかに大切かを改めて実感できました。
今回、この女神の氷像を作るにあたり、本当に様々な方々にお世話になりました。
札幌雪祭りの準備で忙しい中、氷像の職人さんを探していただいた方、氷像の作成にあたっていただいた氷像職人さん、本当にリアルな天秤を作成していただいた業者の方、多忙な間を縫ってこのプロジェクトに参加していただいた青森市民の方々、青森駅前公園を快く貸し出ししてくださった市役所の皆さま、そして寒い中、氷像を見に来てくださった方々。皆さまのお陰で、この氷像プロジェクトをなしとげることができました。本当にありがとうございました!
明日から始まる「クジラ肉裁判」では、市民が国の不正を指摘できる社会の実現の可能性が問われていると思っています。ぜひ、皆さま引き続きこの裁判に注目してください。
全国の皆さま、インターネット企画「the ウォッチ!」に参加してください。よろしくお願いします。