お昼に食べる焼き魚の切り身のために、たくさんの海鳥が死んでいることを知っていますか?漁業をするときに、目的の魚以外の野生動物や魚が間違って、偶然獲られてしまうことを、混獲といいます。世界中の漁場で、毎日、驚くほどの数の野生生物の命が、混獲により失われ、海の生態系が崩れ始めています。
混獲により、世界中の漁業で獲られる魚の、4分の1が、無駄に海に捨てられています。毎年2000万トンが捨てられている計算になります。魚だけでなく、イルカやクジラ、ウミガメ、サメ、海鳥までもが、混獲で命を落としています。このような混獲は、海の生態系そのものにも影響を与え、大きな問題になっています。
イルカやクジラ、ウミガメは、漁網に絡まって溺れ、海鳥は延縄の針にかかって溺れます。毎年1億匹ものサメ、30万頭ものイルカやクジラが混獲されていると考えられています。日本でもお昼の定食などによく使われる銀ムツの漁だけでも、数千羽の海鳥が混獲されているといわれています。(銀ムツというと日本近海の魚のようですが、実は南極海の魚で、この魚自体も乱獲により絶滅の危機にあるといわれています。)エビの底引き網漁が最も混獲の比率が高く、網の中の80%〜90%はエビ以外のもので占められているそうです。
漁網で息絶えたイルカ
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混穫により、数多くの大切な海洋資源が使われることなく失われ、私たちの食べる魚に無駄に「環境へのコスト」がかかってしまっている現状を受け、混獲を防ぐために、様々な仕掛けが工夫されてきました。例えば、イルカ類が網に近づかないように音を出す装置をつける、網に捕らえられたイルカやウミガメなどが逃げられるようにハッチをつける、などの方法が考え出されました。しかし、これらの方法も混獲の問題全体を解決することはできません。科学者たちは、混獲を減らすためには漁業全体の量を減らすしかないと考えています。世界の漁業全体を見ても、獲りすぎ、乱獲が現在大きな問題となっており、「持続可能な漁業」をするためには − つまり、将来にわたって私たちの子どもたちもずっと魚を食べ続けることができるようにするためには − 魚を獲る量を減らし、資源を適切に管理する必要があります。