再審無罪がほぼ確定となり免罪事件として有名な「足利事件」では、検察官が持っていた取り調べの際の録音テープがついに弁護団に開示され、「冤罪事件の構造」を解き明かす貴重な機会になるといわれています。検察官の持っている証拠を開示しないまま裁判を行う日本の刑事事件は、冤罪を生む可能性が高く、こうした日本の時代遅れの刑事裁判システムは国連からも繰り返し勧告(注1)を受けています。
昨年、調査捕鯨船団乗組員によるクジラ肉の組織的な横領を告発して逮捕・起訴されたグリーンピース・ジャパンの2人、佐藤と鈴木の裁判でも、調査の段階で日新丸の乗組員たちが証言したクジラ肉のやり取りについての内容が隠されたまま裁判が行われようとしています (注2)、(注3)。
この最高裁での判断が、日本の刑事裁判の行方を大きく左右することになります。 最高裁判所が国際基準に沿って証拠の開示を決定するよう、署名にご協力ください。よろしくお願いします。
このサイバーアクションは、いただいた3000通以上のメッセージを最高裁へ証拠開示の決定前に届けるために10月28日に第3集約をいたしました。たくさんのご参加ありがとうございました。
注1: 国連からの勧告
委員会は、規約第14条3に規定された保障に従い、締約国が、防御権を阻害しないために弁護側がすべての関係資料にアクセスすることができるよう、その法律と実務を確保することを勧告する(国連規約人権委員会で出された日本政府に対する勧告CCPR/C/79/Add.102 1998年11月19日)など
注2: 特別抗告で最高裁判所に判断を仰ぐ:証拠の不開示は「憲法違反」
佐藤と鈴木の弁護団は、弁護活動に必要で検察官が所有する証拠を不開示とすることは刑事被告人の諸権利を定めた日本国憲法37条2項や国際人権(自由権)規約14条3項(b)などで保障された公平な裁判を受ける権利に違反し、さらに国際的な基準から逸脱しているとして、2009年10月9日、最高裁判所に特別抗告しました。
この最高裁での判断が、日本の刑事裁判の行方を大きく左右することになります。
注3: 民主党も証拠開示を公約
民主党は、その政策インデックス2009において「刑事裁判での証拠開示の徹底を図るため、検察官手持ち証拠の一覧表の作成・開示を義務付ける」と述べて問題を認識し、部分的とはいえ改善を約束している。