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2002年6月1日(土)「住民投票一周年 プルサーマル中止を求める全国集会」に参加しました!

6月1日、新潟県柏崎市で「住民投票一周年 プルサーマル中止を求める全国集会」(主催: 同集会地元実行委員会)が開かれ、グリーンピース・ジャパンから、核問題担当の鈴木かずえが参加しました。一千人は入ろうかという会場が、全国から集まってきた人々で埋まり、熱かったです。1250人が参加したそうです。以下は、グリーンピース・ジャパンがまとめた報告です。

デモ行進風景

開会の挨拶として、柏崎市職労の佐藤正幸さんより、以下の報告がありました。

「一年前の刈羽村住民投票で住民がプルサーマルを拒否する結論を出した後、東京電力は『理解活動が不十分だった』といわゆる『理解活動』」をしてきた。
東電による『理解活動』とは、全戸訪問をして、プルサーマルの宣伝活動、東電にモノ言わぬ人をふやそうと『ふれあいサロン』を作る、原発廃棄物焼却施設の廃熱を利用する農業振興策を提供します、と村民にモノを与えて、モノが言えないようにする・・・など。 また、『住民の理解を得てすすめていく』と言いながら、二回目用のプルサーマル燃料を今年の3月にすでに発注。住民投票を無視する行為で許せない。」
そして、以下の点についてもお話しがありました。
「今、不況で電力会社の経営は大変。
2000億円で火力発電所ができ、4000億円かかる原発が一番安いわけない。
処理できない核のゴミはたまっている。廃炉の費用は建設費の2倍。
再処理に関しても、建設費用が当初の計画の何倍にもなっている。
内部からももうやめたいという声があがっていると聞く。
現在の原子力政策をすすめる限り、経営危機を避けることはできない。
プルサーマルをやる意味はまったくない。
東電は『本音で話そう』などと住民にすりよっているが(私たち柏崎原発反対地元)三団体の、東電に話し合いをしたいという申し入れには返事はこない。
7月の定期点検に合わせたプルサーマルの使用をとめたい。反プルサーマルを全国に広げたい。」

続いて、基調報告として刈羽村を守る会 長世 憲知さんより報告がありました(基調報告文へ)。

長世さんの報告の後、原子力資料情報室 共同代表 山口幸夫さんによる記念講演があり、エネルギー基本法に反対する特別決議の後、デモ行進が行われました。

デモ行進は午後4時10分から始まりました。1000人を越す長い長居行列となって、柏崎の街中を、30分練り歩きました。すると、商店街のあちこちに、歩道に出てきて、手を振ってくれる人、見守ってくれる人がいます。会釈をすると返してくれます。なんどもデモ行進に参加しましたが、こういうことは、あまり経験したことがありません。プルサーマルはやってほしくない!という気持ちが、柏崎の街の人々の多くにしっかり共有されているのを感じました。

交流会

その後、交流会があり、
まず、地元の方が
「デモから帰って、水を飲んだら、なんとおいしいことか!柏崎は、水がほんとうにおいしい。そして、山が美しく、また、今、田んぼは苗が青々と。この自然を守りたい。」
と発言されました。そして、地元、福井県、静岡県、鳥取県、青森県、大阪、京都、東京、千葉など、さまざまな地域からの参加があり、それぞれの活動を報告しました。

新潟から大変な元気をいただいた、とても良い集会でした。
これからも、がんばりましょう。


基調報告 刈羽村を守る会 長世 憲知さん

(以下、集会で配布された資料より掲載させていただきます。)

■はじめに
 刈羽村のプルサーマル住民投票から1年が経過しました。
 1997年に原子力政策の転換を求める全国集会を柏崎で開催してから5年が経過しました。この間、原子力を巡る状況は大きく変化しました。
 今集会は、この間の出来事を振り返り、プルサーマル計画の完全中止を勝ち取り、日本の原子力政策を転換させ、一日も早く脱原発を実現するための運動のあり方を議論するために計画されたものです。

■刈羽村住民投票
 「原発は地域を豊かにする」と宣伝されてきましたが、その象徴的事業である刈羽村生涯学習施設ラピカと源土運動広場の不正事件が発覚し、経済産業省や村当局に対する不信が高まりました。そして、補欠選挙で原発やプルサーマルに批判的な人や慎重な人が2人当選しました。
 住民投票実施の気運が高まり、2000年12月議会で住民投票条例が議員提案され、賛成多数で可決されました。しかし、村長が拒否権を行使して再議となり廃案となりました。
 その後、村民が直接請求し、議会が可決し、村長が再議を断念して実現したものです。
 住民投票条例の公布は4月25日、告示が17日、投票日は5月27日でした。
 告示直前に、経済産業省大臣名のチラシが全戸配布されました。国が参加した公開討論会も開催されました。投票率88.14%の高率で住民投票が実施され、反対が多数となりました。
 刈羽村の住民投票は巻の経験が活かされました。刈羽の経験は海山の住民投票に引き継がれました。
 日本の原発反対運動での住民投票3連勝は、硬直化した日本の原子力政策を転換させるでしょう。

原子力住民投票結果一覧
場所実施年月日人口有権者数投票数投票率反対(%)賛成(%)保留(%)無効(%)
巻町1996.8.430,01123,22220,50388.29%12,478(60.9)7,904(38.6)
-
121(0.6)
刈羽2001.5.275,0274,0903,60588.14%1,925(53.4)1,533(42.5)131(3.6)16(0.5)
海山2001.11.1710,4008,7487,75488.64%5,215(67.3)2,512(32.4)
-
27(0.3)

■推進派の動向−住民投票後、国や電力会社は、反対多数の住民投票結果を骨抜きにしようと躍起です−
 住民投票で反対多数となりましたが政府や電力会社が、プルサーマルを諦めたわけではありません。隙があれば計画を強行したいと考えています。
 3月8日、東電は、投票結果を無視して次期燃料のコジェマ社での製造開始を発表しました。
 刈羽村の住民投票後、国や電力会社は、義務教育からの原子力宣伝のエネルギー教育やるとか、原発視察、生産地と消費地の交流、地域優遇策の拡充等を進めています。
 国は、投票直後の6月5日に「プルサーマル推進各省連絡協議会」を設置し初会合を開きました。
 原子力委員会も市民参加懇談会を開催して「反対派の話も聞いた」と懐柔を画策しています。
 推進派の「国が前面で」との要望で、駐在員を常駐させました。全国で柏崎刈羽だけです。
 公教育で「原発推進のエネルギー教育」を画策し、予算化しました。
 電力会社も、「百聞は一見にしかず」と現行の3倍に相当する「100万人の原発視察キャンペーン」やTVや新聞を使った「プルサーマル宣伝」を繰り返しています。
 東京電力は、計画発表以来30年余を経過して初めて、刈羽村で全戸訪問を実施しました。また、「ふれあいサロン」を新設したり、地域の「お祭り」に寄付をするなど「理解活動」を繰り返しています。
 一私企業が、地域コミュニティーに介入することは許されないことです。
 こうした国や電力会社の行為は、ストーカー行為です。
 彼らの本音は、東京都知事の「夜にクマしか通らない道路を整備したのは都会の税金」発言や経済省参事官の「原発のおかげで裕福になった刈羽は、原発に感謝すべき」との発言に現れています。

■混迷する原子力
 2002年1月30日、東北電力の女川原発3号機が営業運転を開始しました。97年7月の柏崎刈羽7号と玄海原発4号機以来、4年半ぶりの運転開始です。97年まで年2機のペースで増大し続けてきたことと比較して、もう、原発建設はできない時代となったことを示しています。
 年度末、原子力の選択は、今後とも大きな経済負担を伴うとする報道が相次ぎました。その後、再処理はプルサーマル実施が前提であるとの報道がなされました。
 ● 最初は、「新型転換炉「ふげん」の廃炉費用、2000億円見込む(朝日新聞2002/03/18)」
 ● 次は、「総事業費3兆9000億円に 日本原燃の再処理工場(共同通信2002/03/25)」
 日本原燃が青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場について、これまで公表されていた建設費2兆1400億円に加え、完成時から15年後までの諸費用が1兆7600億円かかり、合計事業費が3兆9000億円に達する見通しであるとのことです。
 計画当初の89年には7600億円でしたが、96年には1兆8800億円、99年に2兆1400億円と増額してきました。今回発表の3兆9000億円は当初の5倍相当です。
 ● そして「原発「後処理」費用、30兆円にもー電事連の長期試算で(朝日新聞 2002/3/31)」
 電力自由化で競争が激しくなるなか、電力業界からは、こうした負担を軽くするため、政府の新たな支援策のほか、核燃料再処理計画の凍結を求める声も浮上しつつあります。
 ● 再処理工場操業はプルサーマルの実施が前提 原子力委が枠(朝日新聞 2002/05/01)
 建設中の再処理工場の操業に、国の原子力員会は「原発でプルトニウムを燃やすプルサーマル計画の進展を前提にする」という厳しい条件をつける方針を決めました。プルサーマル実施のめどがたたない今の状態が続けば、再処理工場の運転凍結につながります。
 これらは、原子力は経済的だと嘘の宣伝をして進めてきた原子力政策の誤りを裏づけるものです。

(中略)

■脱原子力しかない
 発電システムは大規模集中ー遠距離送電が効率良いと推奨されてきました。それが原発です。
 原発の効率(熱エネルギーの電気エネルギーへの転換)は発電所で1/3しかありません。長距離送電に伴うロスは発電量の1割にも及び、消費地で利用できる電気エネルギーは3割程度です。
 小規模分散型電源の燃料電池・マイクロ・ガスタービンは、消費地点で発電するシステムで、発電とともにお湯を供給し、有効利用できるエネルギーは7〜80%と言われています。
 30%と7ー80%と比較すればより効率的なシステムが選択されるのは、社会制度の如何に関わらず自明のことです。早晩、原子力は衰退し、分散型の電源に取って代わられるでしょう。
 また、小規模分散システムは、発電システムだけでなく社会システムも変わるでしょう。
 多様な文明や価値観を認め合い、多くの地域の独立した関係―地域の自立が、21世紀の基本的枠組みとなるでしょう。それが世界経済の進展に伴い深刻化した地域内や地域間の格差拡大、発展途上国の貧困と疲弊を克服する事になると考えます。
 破局的大事故の心配や、ウラン採掘から高レベル廃棄物の処分までの核燃料サイクル全体で発生する労働者被ばくと遺伝子損傷、将来何世紀もの間管理し続けなければならない負の遺産を生み出す原子力を産業として選択したことは20世紀の人類の誤った選択だったと考えます。
 原子力は20世紀後半に先進社会の人類が選択した愚かな技術として歴史に記載されるでしょう。
 5000人が暮らす刈羽村のプルサーマル反対の住民投票が日本の原子力政策転換の契機となったと考えます。国家といえども村民の意志を無視できないのです。その意味でも住民投票の結果は想像以上に大きかったと考えます。
 確信を持って、脱原子力、反プルサーマルの運動を進めましょう。

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