2005年5月28日

再検討会議が終了しました

ニューヨーク時間5月27日午後4時8分(議長発表)153カ国の参加をもって、核拡散防止条約(NPT)再検討会議が終了しました。

グリーンピース・ジャパンのNPT終了プレスリリース(5月27日)
「六ヶ所再処理工場など核拡散の危険放置」

The Mighty Asterix


グリーンピースは今日、国連本部内でこんなTシャツを着て歩いています。モデルはグリーンピース・カナダのジョーです。
同じデザインのチラシ (PDF 292KB)も作りました。


このキャラクターは、フランスの国民的コミック「Asterix」の主人公アステリックス。
昨日まで非同盟諸国の提案した1995年の中東決議に関する注釈を「星印(asterisk)」として挿入するか、しないかで会議が大もめにもめていたので、アステリックスが国連に登場。
停滞する会議の活性化に貢献しようとした・・・というわけです。


午前中のセッション終了。

午前中の全体会議が終わりました。

スイス、イタリア、韓国、エジプト、ニュージーランド、オーストラリア、ノルウェー、ナイジェリアの大使や代表団のメンバーと立ち話。

個別ブリーフィングでは、日本の再処理政策は経済性が無いことを懸念、核不拡散体制の普遍性が重要であり、外交とは国際社会でのバランスを考えなければならないだろう、と話す外交官もいました。オーストラリアの大使は今朝の全体会議で、会議の結末を本当に残念に思い、「核燃料サイクル」を含む6つの文書を作成、具体的な問題提起をした「ウィーン10ヵ国グループ」の努力が実らなかったことに触れました。核燃料サイクルについての文書は、まず冒頭に核兵器に使う事のできる物質の生産の技術と、平和利用を目的とした技術は同じである事を述べています。
 残念ながら、このような具体的な問題や課題について、全く議論をする時間が足りなくなりました。各国の提出した「ワーキングペーパー」として、文面だけは残り、今後の課題として、今回の会議で提起された重要な問題を9月の国連総会やIAEAの総会など、次の国際舞台で取り上げるよう、今後も働きかけを続けることが大切になります。

今回、70以上の国の代表団と意見交換の機会がありました。その中でも特に、1)再処理についてきちんとした情報が提供されていない2)再処理は核拡散のリスクを増やす技術だという認識はある3)再処理技術に関する普遍的な基準の必要を感じている国が多いの3点が多くの国の共通認識でした。

会議外でも、国連本部で5月5日に発表されたアメリカの科学者や元政策立案者27人の署名(英文リンクhttp://www.ucsusa.org/global_security/nuclear_weapons/page.cfm?pageID=1765)や、24日に発表された国内外の学者やNGO代表およそ150名の署名(プレスリリースhttp://www.peaceboat.org/info/news/2005/050525.html)など、世界的に六ヶ所再処理工場の問題は緊急課題だという認識が広がっています。


再検討会議最終日

3つの主要委員会から合意の取れた文書が提出されなかったため、最終文書も実質的な問題について触れない内容となりそうです。
そのような状況だからこそ、11日に会議の一部としてNGOが発表した数々の提言や、各国が提出したワーキングペーパーに示されている具体的な提案が重要な意味を持つものとなりました。

今朝は希望する国々が短い声明を読み上げているのですが、ほぼ全ての国が2005年再検討会議の結果を残念に思いながら、多角的外交(Multilateral diplomacy)の重要なツールとしての条約の意味は失われていないこと、そして今後も核問題への多角的アプローチが重要だということを強調しています。

とても残念なのは、最終日の今日になっても、どの国の声明も今回の会議が始まったときとほとんど変化がなく、ただ加わっていると言えば、結果を残念に思う、ということくらいです。


2005年5月25日

第 2 委員会決裂

先週ようやく全体が議事進行について合意にいたりましたが、結果として一つの委員会について6回しか会議を開けなくなる、という非常に厳しい結果を招きました。

6回のうち、それぞれの委員会は2回の会議を一つの特定のトピックについて討議する、「下部機関」の会議のために時間を使いましたが、第2委員会は早くも6回全ての会議を今日の午後に終えました。

現状としては、第2委員会は下部機関から提出される予定の文書の中身について合意が取れず、そのまま解散したようです。
明日の朝まで個別の協議が続く様子ですが、現在のところ、第2委員会に関してはかなり悲しい結果となりそうです。
何も、結果を残さなく閉会、という可能性が益々現実的になってきました。

第2委員会の決裂の主な原因に、核の平和利用を権利とする条約第4条と、最近核兵器の開発を宣言した、又は疑いの持たれている国などへの核の拡散という問題があったようです。

2005年5月21日

委員会二日目



核拡散防止条約の再検討会議は、各国の代表がスピーチを読み上げる「一般討論」から、「軍縮」などを扱う第一委員会、「保障措置」などを扱う第二委員会、そして「原子力」などを扱う第三委員会での実質的な議論へと移りました。

今年は議題の採決に非常に時間がかかったのですが、(5月19日にようやく全会一致で合意)最後まで合意の取れなかった下部機関への時間の割り当ては、それぞれの委員会で決めるという事で解決したようです。
結局委員会に割り当てられた時間は、それぞれが6回の会合を持ち、その中から特定のトピックについて話し合いを行う「下部機関」への時間を割り当てなければならないので、最終文書を提出するために急ピッチで作業が進んでいます。

下部機関は、第一委員会が「軍縮と安全保障」、第二委員会が今日の午前中に1995年の中東決議などを含む「中東問題」に関する下部機関の会議をもち、次回はもう少し幅を広げた「地域問題」についての下部機関の会議があるそうです。
第三委員会は今日の午後に非公開の下部機関会議を開き、第十条第一項に述べられている脱退問題について議論されたようです。

今日は原子力に係わる委員会がどちらもそれぞれ下部機関の話し合いに時間をとったので、待っている時間で何度か話をしてきた国の代表大使と立ち話を試みました。
今回こうして見ていると、それぞれの国が地域のグループか、もしくは経済的な協力関係に有ったり、文化圏、もしくは非同盟諸国のような大きなグループなどに属して、そこの共通した立場を取ることがあります。
今日もできるだけ色々な立場から話を聞いてみましたが、一つ一つに異なる主張を浮き彫りにしつつ、議事の進行は支持したい、というような趣旨の話が多くありました。

委員会の会議に比べ、下部機関の会議では一つの特定した問題・地域について話し合われるので、他の議題については時間が押し迫っています。残り一週間となりましたが、できるだけ多くの国の立場を聞き、また六ヶ所の問題点を知ってもらえるように頑張りたいと思います。

写真は、今日の午後に第三委員会が開かれた国連本部の第4会議室です。

2005年5月20日

第 3 委員 会レポート:第一回

final list of speakers for this afternoon

ルクセンブルグ(欧州連合を代表)
フランス
日本
アメリカ
マレーシア(非同盟諸国)
オランダ(グループ10)
カナダ
キューバ
イラン
中国
エジプト
ノルウェー
ニュージーランド
IAEA
南アフリカ
ポーランド
モロッコ
ブラジル
インドネシア
アルゼンチン

以上です。

第 2 委員 会レポート:第一回の概要です

今朝は「軍縮」を扱う第一委員会と、「保障措置」などを扱う第2委員会が同時に行われています。

保障措置の委員会では、簡単に議事の進行について説明があってから、希望する各国の大使がこの委員会で声明を読んでいます。
最初はアメリカで、リビア、北朝鮮、イランの秘密計画を名指して批判した上で、主にIAEAを主体とした保障措置体制の強化についての、長い声明を読み上げました。アメリカの核・原子力施設への査察に関しては、これまでの通り国家の安全保障に係わる施設以外は、全ての施設への査察を受け入れる・・という明確な立場を述べています。

ウラン濃縮と再処理技術に関しては、もう一度これまで5年間で明らかになった核兵器開発の計画などについて話をした上で、それぞれの過程から生産される核分裂性物質を核兵器に転用しないことを強調するにとどまりました。

次に非同盟諸国を代表してマレーシアが発言。
非同盟諸国の声明は主に非核兵器地帯についてで、東南アジア非核兵器地帯への動きを紹介した上で、最近の中央アジア非核地帯の努力を歓迎する、という内容でした。
加えて、1995年の中東決議、そして2000年の最終文書の中で述べられているイスラエルの非核化と、NPT体制への加入が進行していないことを残念に思う、という強い懸念を示すものでした。

続くブラジルは追加議定書の必要性、アルゼンチンはIAEAを含む保障措置体制の普遍性が重要だということを強調しました。

日本は高須大使が発言し、ここ数年間に保障措置体制が危機にあることをリビアや北朝鮮の例を挙げて述べ、国際的な機関による監視体制などが重要であり、外交による解決の重要性を訴えました。他にも輸出管理などについてふれました。

次に中国が、朝鮮半島の非核化に関連して、アジアにおける非核地帯の重要性を主に訴えました。

最後はルクセンブルグがEUを代表して発言し、国連安保理決議1540号の重要性と、IAEAを含む国際的な保障措置体制の強化を訴えました。

ここで第2委員会の議論は終わり、委員会は終了しましたが、続いて下部機関についての議論へと移りました。
結論から言ってしまえば、現在エジプトが2回の下部機関の打ち合わせのうち、1回を地域についての議論、もう一回を1995年の中東決議と他の中東における問題について使うという提案をしています。
この提案に賛成して、シリア、イェメン、ヨルダンなどが発言し、2時半からアラブ諸国会議を開くことをリクエストしています。

今のところ表立ってこの提案に反対したのはアメリカで、全体会議の結論は下部機関は「地域における問題」について議論することとし、中東問題はこの中に含まれるという決定のはずだ、下部機関をこれ以上分ける必要はない、という発言をしました。

アメリカほど強く発言をしなかったものの、日本もこれを基本的には沿った意見を述べ、しかし基本的には議長の決定に従う意思を示しました。
オーストラリアも同様です。

・・・という経緯で、午前中の時点で下部機関については、今週始めの議論に立ち戻ることになってしまいました。

午後からは「核不拡散」などについて議論する第3委員会が開かれます。

2005年5月19日

5 月 18 日ニュー ヨーク時間午後 3 時 14 分の国連 本部第 4 会議室

午後はオーストラリアの要望どおり、G10諸国のペーパー発表で始まりました。そして、今日発表を希望していた国が全て終わったところで、デュアルテ議長がその後一時間ほど、委員会審議の進め方について地域毎のグループに分かれて調整をするため、5時15分に全体会議を再開する、と発表。

いよいよ、正念場、という雰囲気でした。

5時15分。
どこの国の代表も、はっきりと先の見えないまま、全体会議が始まりました。本来は非公開の予定だったので、報道陣やNGOは外で待機していましたが、突然中に入ることができるという話になり、それぞれ急いで空席を目指しました。

このときの発表は非常に短く、全体の合意に達したこと、問題となっていた各委員会が下部機関の話し合いに割り当てる時間については、それぞれの委員会で決めること、という内容で決議されました。

結局、先送り?という感じも否めませんでしたが、とりあえず形だけでも実質的な審議に移りそうです。

第3週も半ばを過ぎて、結局それぞれの委員会に残された時間は、半日で1セッションとして、6セッションとなってしまいました。

明日から、最終決議文書のまとめへ向けて、本格的に話し合いが始まります。




まだ委員会についての調整が続いています

今朝はほぼ定刻どおり、10時半過ぎに非公開の全体会議が始まりました。
まず、非同盟運動諸国を代表してマレーシアが発言、基本的に議長の提案を支援するものでした。続いてイギリスが発言し、ヨーロッパ諸国も基本的に合意するとの事でした。しかし、それぞれの委員会の時間配分について個別の調整がつづいていましたが、午前中のセッションの最後になっても、いまだに合意に至りませんでした。

もう、時間がありません。

デュアルテ議長は午前中のセッションの最後を、2000年の再検討会議を振り返れば、第3週目の水曜日(要するに今日)には委員会の審議が始まっていた、このまま今日中に合意に至らなければ、別の方法も検討しなければならない、という様な圧力とも取れる言葉で結びました。

3時に公開の全体会議を再開する、という事で午後へ・・・。

2005年5月18日

日本政府の消極的姿勢

ニューヨークは明け方です。
昨日(17日)午前中の会議は予定より少し遅れて、10時15分頃に始まりました。まず予定通りイラクの発言があり、イラク政府は核兵器を含む大量破壊兵器などの拡散を防止する体制作りに関する「安保理決議1540号」を歓迎し、昨年3月以来の核不拡散への積極的な取り組みを続けていることをアピールしました。

続いて、ウィーンに本部を置く10ヵ国グループ(G10)を代表して、オーストラリアが 包括的核実験禁止条約についてのペーパー を発表しました。

昨日の段階ではここまでの予定しか発表されませんでしたが、この後続けてマレーシア、日本、カナダ、ルクセンブルグ、イラン、エジプト、そして中国が次々と発言しました。

日本は相変わらず「消極的保障措置」や、「先制不使用」、「再処理」などには触れない「21世紀のための21の措置」というタイトルのペーパーを読み上げましたが、基本的な立場を述べたものであり、この中には特に会議への新たな提起はありませんでした。
国連のウェブサイトより: 日本政府が提出した公式文書

外務省のウェブサイトより: 概要(日本語)

上記のペーパーに対する グリーンピースの意見書(英語)

しかし最後に、エジプトやハンガリー、メキシコなどを代表して、「軍縮・核不拡散教育」に関する、追加の発言がありました。
この後イランが、主にこのように各国がペーパーを読み上げるような流れになったことに対して、これでは会議の外から見ると、委員会においての実質的な話し合いを放棄したようにも見られかねない、など懸念を明らかにして、議長へ明確な議事の進行を求めました。
これに対してデュアルテ議長は、翌日にも同様の全体会議をもつ予定であり、そこでの発表を希望する国の代表は、事務局へ直接その旨を伝えるよう促したので、このプロセスがとりあえず明日までは継続される様子です。

あと実質 8 日です

いよいよ会議も、実質残り8日となりました。
なのにまだ、実質的な話し合いは全く行われていません!

世界には今でも合計およそ30000発の核弾頭があります。そして、核兵器の材料としても使用が可能なプルトニウムは、同数の核弾頭を十分製造可能な量まで累積量が増えてしまっています。核兵器を保有する5カ国の代表(ア
メリカ、ロシア、中国、フランス、イギリス)を含む合計188カ国の代表が、毎日
朝から晩まで国連本部の地下の会議室とそれぞれの代表部を行ったり来たりしています。

会議の進行具合ですが、今月12日にようやく議題に関する合意に達し、全会一致で採決されましたが、今度は実際にどういった手順で話し合いを進めるか、というところで行き詰まったまま、すでに6日目になります。