2004年5月
グリーンピースと欧州風力エネルギー協会(EWEA)が発行した風力発電にの可能性に関する報告書「ウィンドフォース12」(2003年度版)の2004年度版が、6月に開催される 自然エネルギー国際会議 に合わせて発表されました。(内容、項目はほぼ2003年度版と変更ありません。2003年度版に、改訂部分を挿入して販売いたします。)
「ウィンドフォース12」は、2020年までに、世界の電力供給の12%を風力で賄うことが可能であることを検証するための実行可能性調査であり、いわば風力発電普及のための青写真です。「ウィンドフォース12」では、2020年までに12%の風力発電市場シェアを達成することに関して、技術・資源などの制約はないと結論づけられています。しかしながら、これを実現させるためには、風力発電普及のための政策への転換が必要としています。
日本では、自然エネルギーを促進するために、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」が2003年度から施行されました。しかし、この法律では、利用目標値が非常に低いことや、風力や太陽光発電の目標が個別に設定されていないことなどから、風車の新規建設が阻止されるという事態が発生しています。この法律は来年見直しがされることになっており、適切な形の改正が必要です。
日本でも適切な政策をとるべきです。グリーンピース・ジャパンとしては積極的に風力発電の可能性を紹介しています。その一環として、
「ウィンドフォース12」日本語版
を発行しました。
グリーンピース・ジャパンは、2003年10月に2003年度版 「ウィンドフォース12」の日本語版 を出版いたしました。2004年版は6月に開催される 自然エネルギー国際会議 に合わせて発表されました。
技術的に利用可能な風力エネルギーは、計53,000TWhと推定される。これは、2020年の電力需要の2倍に相当する。したがって、発電のための風力利用において、風力資源が足りないということはない。
過去5年間、毎年30%以上の伸びで風車の設置が進んだ。2003年だけでも計830万kWが新たに設置されている。世界の風力発電設備容量は、2004年初頭までに、4,030万kWに達した。今後の成長率は、2010年まで年間25%で推移し、その後2019年には10%まで低下する。
市場が拡大したことで、風車の製造コストは過去15年で50%低下した。2010年には、製造コストは644ユーロ/kWに、2020年には512ユーロ/kWまで下がる。発電単価は、2010年に3.03ユーロセント/kWhになり、2020年には2.45ユーロセント/kWhまで低下する。
上に記した風力発電を実現するために必要な投資額規模は、2019年にピークを迎え、827億ドルに達する。
現在の風車の平均出力は1,200kWであるが、風車は今後も大型化し、平均出力は、2007年には1,500kW、2013年には2,000kWになる。
2020年までに、世界における総設備容量は、12億kWを超え、年間発電電力量は3,000TWhを上回る。これは、世界の電力需要の12%を風力で賄っていることを意味する。また、2040年においては、設備容量は、32億kWに達し、世界の電力需要の23%を賄うことになる。
年間CO2削減量は、2020年に18億3200万tCO2となり、2040には51億600万tCO2となる。
こうした風力発電の促進を実現するには、公平な競争市場の構築が不可欠であり、政府は大幅な政策の転換を行わなければならない。
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指標 |
2003年度版 |
2004年度版 |
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容量(世界) |
722万7千kW(2002年) |
834万4千kW(2003年) |
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累積設備容量 |
3,203万7千kW |
4,030万1千kW |
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最大の商業機の発電出力 |
2,500kW |
3,600kW |
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年間成長率 |
2008年まで:25%
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2010年まで:25%
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2020年時点での累積設備容量 |
12億3千2百万kW |
12億4千5百万kW |
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2020年以降の年間設置容量 |
1億5,149万kW |
1億5,870万kW |
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2020年時点での年間発電量 |
3,021Twh |
3,064Twh |
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電力シェア |
12% |
12% |
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投資額ピーク年の投資額 |
766億ユーロ(2019年) |
827億ユーロ(2019年) |
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2020年時点の設置コスト |
497ユーロ/kW |
512ユーロ/kW |
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2020年時点の発電単価 |
2.34ユーロセント/kWh |
2.45ユーロセント/kWh |
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2020年時点での雇用 |
179万人 |
235万9千人 |
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2040年時点での累積設備容量 |
約31億kW |
約32億kW |
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2020年時点年間CO2削減量 [注1] |
18億1千3百万トン
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18億3千2百万トン
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注1 : それぞれのCO2排出量を、石炭751-962tCO2/GWh、石油726tCO2/GWh、ガス428tCO2/GWhとし、控えめな平均として600tCO2/GWhとした場合
注2 : (財)日本エネルギー経済研究所2004「アジア/世界エネルギーアウトルック」では、2020年時点のCO2排出量は約361億tCO2になるとしている