「需給調整契約説明会」報告
東京電力は「節電のお願い」について、「迷惑をかけている」と考えているようだが、一般消費者にはそれ以上に原発を止めるために協力したい気持ちがあります。―参加者Nさん
お客さまの感触は肌身で感じています。あたたかいご配慮を頂戴している中で,何とか供給力等の確保に努めこの夏も乗り切りたい、と考えております。―東京電力さん
2003年7月30日、グリーンピース・ジャパンの事務所に東京電力の方をお招きしての「需給調整契約説明会」を開きました。「需給調整契約」とは、電力消費のピークである午後1時から4時までの電力の使用をずらしたり、減らしたりする代わりに割引になる契約。ピークカットに効果があります。すでにこの契約には3000もの施設が加入して、緊急的に減らす約束をとりつけた電力は140万kW!計画的に減らす約束をとりつけた電力も140万kW!これは原子力発電所約3基分です!以下、報告です。
目次
- 参加者について
- 需給調整契約について(東京電力からの説明)
- 質問コーナー
- 感想コーナー
1 参加者について
グリーンピース・ジャパンのサポーターさんやボランティアさん、神奈川の消費者の方、都内に自社ビルをお持ちの方など8名参加されました。東京電力からは、新宿支社エネルギー営業グループからお一人、東京支店営業部からお一人、本社エネルギー営業部および広報部からそれぞれお一人の計4人からご説明をいただきました。
2 「需給調整契約」について(東京電力からの説明)
- 需要のピークについて
昭和35年(1960年)当時は、夜ご飯のときに電力消費のピークが発生していた。しかし、昭和45年(1970年)以降、ピークは午後1時〜4時に発生するようになり、現在も変わっていない。
- 発電設備について
発電設備は、電気の必要に合わせて作られてきた。6400万kWくらいの電気が必要なときもある。ただ、実際には年間を通しても数時間。
- 需給調整契約について(資料「業務用緊急時調整契約のご案内」参照 PDFファイル 13KB)
使われる電力が発電する電力を超えると停電になってしまう。それを避けるために、その時間帯に負荷(消費電力)の調整・停止をお願いする制度。
需給調整契約
* 需給調整契約には以下の種類があるが、今回はとくに業務用緊急時調整契約の30分の調整の場合を説明
- 計画調整契約(平日昼間の電力消費をピーク時以外や休日等に前もって計画的に振替える契約)
- ピーク時間調整契約(業務用/産業用)
- 夏季休日・夏季操業調整契約(産業用) 対象:契約電力が500kW以上
- 随時調整契約(需給が逼迫した時に事前に連絡をし、電力の使用抑制を要請する契約)
- 業務用緊急時調整(業務用) 対象:契約電力が500kW以上
- 緊急時調整(工場など産業用) 対象:契約電力が500kW以上
業務用緊急時調整契約
- 業務用緊急時調整契約について(資料「業務用緊急時調整契約のご案内」参照)
業務用緊急時調整契約は以前からあるが、今年度は調整力を確保したいため加入条件を緩和した。
- 加入条件
契約電力500kW以上(かなり大きめのビル。新宿では約300件。)。
6月から9月までの4か月間に当日の1時間前までにの東京電力からの電話による依頼により、契約電力の5%以上の電力を抑制。(従来は10%以上であったのを今年度緩和)
- 適用期間は通常6月からの契約だか,7月以降の加入も受付けるよう弾力的な対応を図った。契約調整時間
原則として調整依頼1回につき、3時間の調整(消費電力の抑制)。
- "調整"とは、需要を抑えること。
- 今年度は、30分の調整でも加入は可能。
- 調整する時間は、13時から16時の時間帯。あらかじめ希望時間帯を確認。
- 契約調整回数
調整依頼回数は4ヶ月間に5回以内。実際に5回お願いしないこともある。
- 契約期間
契約締結日から平成15年(2003年)9月30日まで。調整力を確保する意味から8月以降の加入も今年度は個別に協議させていただく。契約締結日は、1日からでなくても可。
- 電気料金の割り引き額
調整依頼があってもなくても毎月割り引き(予約割引額)を行う。
調整依頼の都度、実績にもとづき、割引を行う(実施割引額)。
- 予約割引額(調整があってもなくても毎月割り引く)
予約割引額の算定方法 (一ヶ月あたり)
割引単価(320円)×契約調整電力×契約調整時間×契約調整回数 (5回)×1/2×1/4
(1/4とは6月から9月の4か月のうちの1月という意味)
- 実施割引額(調整を依頼した場合、その調整実績に基づき、割り引く)
実施割引額の算定方法 (一回あたり)
割引単価(320円)×実績調整電力×契約調整時間―割引単価×契約調整電力×契約調整時間×1/2
* 実績調整電力は、当月の月間の最大需要電力から調整時間中の最大需要電力を差引き計算。最大需要電力は取引用計量器で東電で把握している。
- 割引単価
契約調整電力1kW・1時間・1回につき、320円(従来は160円)
例えば、調整電力が契約電力の5%が条件として、契約電力が20000kW、調整電力が1000kW、調整時間30分、契約調整回数5回の場合。
割引額試算
- 予定割引額 1ヶ月あたり10万円
320円×1000kW×0.5時間×5回×1/2×1/4
- 実施割引額 1回につき8万円(実績調整電力が1,000kWの場合)
320円×1000kW×0.5時間―320円×1000kW×0.5時間×1/2
3 質問コーナー
Q(参加者) 「実績調整電力」とは何でしょうか?
A(東電説明者) 顧客の月間の最大需要電力から調整時間中の最大需要電力を引いた値です。(資料「業務用緊急時調整契約のご案内」参照)
Q 新宿で対象の約300件に契約の依頼をして何件断られたのですか?
A 約7割強くらい。しかし、契約はしないけど、節電には協力しますよ、と言っていただきました。節電に対しては大変協力的で、いろいろ取り組みはしていただいています。
Q 今年の節電効果はどのくらいなのですか?
A 節電の効果を計るのはむずかしいのです。特に今年は涼しいので、節電効果を計るのはむずかしいです。
Q こんなふうにすれば電力がこれだけ節電できますよ、というコンサルティングはしているのですか?
A 空調の調整、照明の間引き、エレベーター・エスカレーターの間引き運転、などを説明しています。
Q 「需給調整契約」によっての節電効果はどの程度なのでしょうか。
A 一般に「節電してください」というと特定の時間帯での効果はでないのですが、この契約はピーク需要の抑制に効果があります。
なお,契約に基づく効果量のうち、節電によるものがどの程度なのかは不明です。
Q 「夏の需要の4割は冷房」といいますが、それはどのようにわかったのでしょうか
A モニターによる調査で、傾向を調べてわかりました。
Q 最大電力の全体うち、家庭や事務所、工場などの占める割合はどうなっているのでしょうか?
A 家庭用が約3割、事務所や店舗ビルなど業務用が約3割、コンビニエンスストアなどの小口のものが約2割弱、残りの約2割強が工場など大口の産業用です。
Q 「需給調整契約」の対象である契約電力500kWのビルとはどのくらいの規模のビルですか?
A 事務所ビルですと一万平方メートルくらいのビルになります。百貨店さんなどは照明が多いので、もう少し小さめのビルでも対象になると思います。
Q 現在、計画調整契約で140万kWの削減、緊急時調整契約で140万kWの削減というのは今年の最大電力の予想の6450万kWにどう反映されているのでしょうか。
A 計画契約調整契約の分は予想を立てた時点で120万kWでしたが、それは折込ずみです。
Q 「緊急時調整契約需給調整契約」で削減できる需要の見込みはどのくらいでしょうか?
A 実効力として140万kW集まりました。この契約は、需要が供給を上回りそうになった場合に効果があります。
Q 無理に原発を再開しないでも他に道があるのではないでしょうか?
A 工場などに対しては生産シフトや生産カット我慢していただくなどのご迷惑影響をおかけしておりますので、出来れば緊急時調整は依頼を実施したくないのです。
4 感想コーナー
- 参加者Nさん:
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いままで、電気は欲しいだけ使えるんだ、という感覚できましたが、今回の原発停止という状況はそういう生活を見直す良いチャンスと思います。停止のままでもよいと思っていました。東電には「これ以上できません(電気を作れません)」と言ってほしかったくらいでした。一般家庭での使用も相当な量のはずで、どの程度協力すれば、(原発を)増やさなくてすむかが知りたかったんです。東京電力は「節電のお願いについて「迷惑をかけている」と考えているようだが、一般消費者にはそれ以上に協力したい気持ちがあります。東京電力が考えている以上に消費者は意識が高い。傷のある状態で本当に大丈夫なのか、本当に安全かということのほうを聞きたいと思いました。できれば原発を止めたい、と思っています。こういう思いの人がいっぱいいることを東電には是非知っていただきたいと思います。
- 参加者Tさん:
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これまで3000件の契約が結ばれ、140万kWの電気を減らすことができるということ。まだまだ契約件数は増やそうと思えばもっと増えると思います。もっとしていただいて、原発を動かしていただきたくないと思っています。
- 参加者Kさん:
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今日は新宿の情報だったが他の地区(東京全域)の情報などもわかればいいなと思いました。(東電管轄内での対象は1万5千件で、契約成立が3000件―グリーンピース・ジャパン注)
- 参加者Sさん:
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原発がいっぱいとまっているので、東電さん大変だと思います。ふつうの主婦としては、少しづつでも節電すれば、塵も積もれば山となる、で、協力できると思うので、がんばりたいと思います。
- 参加者Mさん:
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こういう直接の意見交換はめずらしいと思います。企画したグリーンピースも引き受けた東京電力も一歩踏み出したと思います。こういう対話の機会がいろいろなレベルでされれば違ってくるのではないかという気がします。
- 参加者Yさん:
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イラク戦争以来、ふつうの市民の意識が変わり始めているなと思います。夏至のキャンペーン(夏至の夜に2時間、電気を消そう、というキャンペーン)のときもそう感じました。そういう人たちにむくいる制度がほしいと思います。家庭用でもピーク時に節電したら割引になるような契約があるといいと思います。業務用でも、もっと小さいところでも需給調整契約ができるような制度を考えていただければ嬉しいです。
- 参加者Aさん:
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グリーンピース・ジャパンでボランティアをしている中で初めて東電の需給調整契約への努力を知りました。私たちへの説明の努力もしてくれています。原発をなくす方向へも努力をしていただきたいと思います。
東京電力より
- 説明者Tさん:
- わたくしも毎月の検針票をみながら節電を心がけているユーザーでもあります。今後とも東電をよろしくお願いします。
- 説明者Kさん:
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現場で、原子力の件は、お詫びしつつ、節電のお願いをしています。節電のお願いに対するお客さまの好感触は肌身で感じています。あたたかいご配慮を頂戴している中で,何とか供給力等の確保に努めこの夏も乗り切りたい、と考えておりますので、よろしくお願いします。
- 説明者Aさん:
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来週以降夏本番になる。一般の人の関心の高さについてはありがたいと思います。
- 説明者Nさん:
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我々としては、一生懸命節電のお願いをしているつもりでございました。15000件のお客さまを何度もまわっています。しかし、今日のご感想をうかがって、東電の努力が、なかなか見えていないのかな、と思いました。今後ともどうぞよろしくお願いします。
グリーンピース・ジャパンより:
一般の人の努力が反映されるような仕組みがあればよいと思います。「需給調整契約」の対象件数は15000件、現在3000件成立です。あと12000件、がんばりましょう。この契約を結ぶためには5%の消費電力の抑制ができなければならいわけですが、積み上げ計算を実際にコンサルティングをするといいと思います。今日、来ていただいたみなさまには、「需給調整契約」へのよびかけをお願いします。
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