26 May
2008

G8 大臣会合始まる

7月の洞爺湖サミット(首脳会議)は、来年、そして再来年に開催される、いくつかのひじょうに重要な国際会議の布石となるものです。洞爺湖サミットで何が「示されるか」、あるいは「示されないか」が、今後にも影響してくるでしょう。

さて洞爺湖サミットに向けて、この3月から一連の大臣会合が各地で開催されています。それに合わせて市民が主催するイベントや会議も開かれており、グリーンピース・ジャパンとインターナショナルは、環境NGOの声が反映されるよう、これらにできる限り参加するようにしています。

5月24日から26日にかけては神戸で「G8環境大臣会合」(G8各国および中国やインドなど合計19カ国の大臣が出席)が開かれました。これに先立つ23日、関西を中心とする市民団体が神戸市の協力のもと、市民社会のメッセージを大臣に伝えるための国際シンポジウムを開催。国内外で環境問題に取り組んでいる大勢の市民が一堂に会しました。以下は、その報告です。

世界は数多くの環境問題に直面していますが、それらを包括して「気候変動」「生物多様性」「3R」をテーマにセッションが進められました。どのテーマも長年グリーンピースが活動してきたもので、実際、パネラーの方々からグリーンピースが暴露した被害実態やアクション、調査結果などが事例として紹介されました。こうした形で取り上げられるのは、とてもありがたいし、励まされます。

「気候変動」のセッションでは、「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)にかかわってきた科学者であり、グリーンピース・インターナショナルのアドバイザーでもあるビル・ヘアが、世界の約400団体が加わっている気候ネットワーク(CAN)を代表してスピーチしました。ヘアはIPCCや国連環境計画(UNE`P)の科学評価をもとに、気候変動が「壊滅的な」レベルに達しないようにするには、世界の平均気温の上昇幅を2℃未満に抑える必要があること、それには温室効果ガスの排出量を2020年より前にピークアウト(増大を頭打ち)になるようにしなければならない、と強調しました。

これを達成するには、日本を含む先進国は2020年までに90年比で25−40%、2050年までに80%以上の削減が求められています。これはずっと以前から求められてきたことであり、今になっても繰り返さなければならないのは、対策が進展していないことの表れです。ヘアは「10年以上ものあいだ長期的な目標をめぐって議論が続いているが、事態は切迫している。求められているのは行動だ」と締めくくりました。

三つのセッションに共通していたのは、日本政府は目標を掲げていないか、掲げたとしても、その実現を担保できるような実効力のある政策と制度がない、ということでした。どれも重たいテーマでしたが、被害報告や問題点の指摘に終始することなく、何をすべきかが提起され、またコスタリカやインドでの成功例も紹介されるなど、ひじょうに濃い内容でした。ビル・ヘアは、こう述べています。「当初、京都議定書の成立は無理だろうとみられていた。しかし発効した。次のステップも、私たちが動けば、きっと可能になる。」

シンポジウムは「環境NGO兵庫宣言」を採択して閉幕。翌日は環境大臣と、NGOを含む各界代表とのラウンドテーブルが開かれ、この宣言とともに市民社会からの要望が各国の大臣に直接伝えられました。

気候変動問題のうち温室効果ガス排出削減については、大臣会合においても欧州や途上国から、2020年ごろの中期目標を早期に設定すべきだとの意見が相次いだといいます。しかし最終的に出てきた議長(鴨下環境大臣)総括案は、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の知見を考慮した野心的目標が必要なことに留意する」とするにとどまりました。

以下は、ビル・ヘアからのメッセージです。
「先進国がもっと意欲的な数値目標をとるよう、日本政府に勇気あるリーダーシップをとってもらいたい。それを後押しする世論が日本でもっと大きくなってほしい。日本の技術は世界のトップクラスだ。日本はリアル(訳注:現在ある実証済み)でクリーンな技術を海外に移転することで、地球温暖化対策に貢献できる」


Posted by manami at 18:36