資源エネルギー庁への「2030年のエネルギー情勢についての意見・提言募集」によせて
2004年4月2日
グリーンピースは、化石燃料や原子力などのエネルギー利用による、危険な気候変動や放射能汚染という取り返しのつかない事態を回避し、持続可能で平和な社会を実現させるために、省エネや効率化によってエネルギーの消費量を減らすこと、そして太陽光や風力などの自然エネルギーの利用促進へとエネルギー政策を大きく転換すること、同時に、化石燃料の開発利用に向けられている日本の海外への貢献も、省エネ・効率化および自然エネルギー利用促進への技術・資金協力へと転換すべきと考える。
化石燃料を従来のあるいはより早い速度で利用(燃焼)し続ければ、2030年を待たずに、気候の変動が人や自然環境にとって適応できる限界(生態学的限界)を超え、長期にわたって危険な事態を引き起こしてしまうことが予測されている*1。また、原子力利用は、危険な放射性廃棄物が蓄積されることに加え、核兵器拡散につながる危険性、事故による大惨事の危険を常に孕んでいる。また日本は、化石燃料や原子力エネルギー資源を海外からの輸入に大きく依存しており、エネルギー供給を巡るリスクを低減させ、その安定供給を確保していくという政府の認識と矛盾している*2。
風力、太陽光・熱など既存の自然エネルギーの普及における障壁は、もはや技術的なものではなく、政策的、経済的な点にあると指摘されている*3。グリーンピースが自然エネルギー業界と共に行った試算によれば、たとえば2020年には世界の電力需要の12%を風力発電で、さらに太陽光発電では、2040年に26%を満たすことが可能である*4、*5。日本国内での自然エネルギーの供給を(2030年に向けて)確保するためにも、現在普及を阻んでいる制度的な障壁を取り除き、高い技術水準と経済力に支えられた自然エネルギーの迅速な拡大をはかるためのインセンティブを強化する必要がある。
国際的には、積極的な普及措置を工業先進国及び途上国の両方でとることにより、省エネ・効率化および自然エネルギーへの転換をはかるべきである。特に、途上国の経済成長に伴い増加しているエネルギー需要を自然エネルギーでまかなえるようにすることが、環境及び公平性の観点から不可欠である。環境保全を標榜し、持続可能な開発に貢献をすることを目標にしながらも、化石燃料事業への支援と環境エネルギー事業支援への拠出額の比は拡大の一途をたどってきた。このため、エネルギーに関する日本の国際協力については、技術協力のみならず、現在莫大な額が化石燃料の開発利用に向けられている日本の途上国へのエネルギー関連融資を、省エネ・効率化および自然エネルギーへと転換することが不可欠である。
*1 「カーボン・ロジック」1997グリーンピース インターナショナル
参考文書:
「カーボン・ロジック」(概要版)グリーンピース・インターナショナル(PDFファイル:53KB)
*2 「エネルギー基本計画」2003 経済産業省
*3 2000年の沖縄サミットで立ち上げられた「再生可能エネルギーに関するタスクフォース」の報告書2001
参考文書:
「Choose positive energy 持続可能なエネルギーの選択」(グリーンピース・インターナショナル/WWFインターナショナル PDFファイル:371KB)
*4 「ウィンドフォース12 」2003グリーンピース・インターナショナル
参考WEBサイト:
『ウィンドフォース12』日本語版出版記念講演会
*5 「Solar Generation」2003グリーンピース・インターナショナル
グリーンピース・ジャパン
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