グリーンピース・インターナショナル
ブリーフィングペーパー
ヨハネスブルグ地球サミット第3回予備会合(2002年4月)に向けて
国連の気候変動に関する政府間パネルによる最新の報告書は、地球温暖化による影響の可能性についてただならぬ警告を発している.こうした状況に直面していることに加え、米国政府の京都議定書対する否定的態度や、米国内でのエネルギー効率向上や再生可能エネルギーの導入に対する支援が後退していることなどから、各国政府やメディア、そして市民の間には危機感が募っている.
第10回持続的開発に関する会議(CSD10)の議論は、気候変動の対策に取組む手段として、また貧困の緩和と持続的発展のための直接的支援として、再生可能エネルギーとエネルギー効率向上の技術の重要性を認識する方向へと歩み出した.
グリーンピースは、G8沖縄サミットで設置の決った再生可能エネルギーのための特別委員会*の報告書を歓迎しており(但し、G8各国政府の間で報告書への関心が高まっていないことには失望しているが)、2002年1月に開催された地球環境基金(GEF)のエネルギー協議の勧告も望ましいものと考えている.この勧告は、ヨハネスブルグ地球サミットに向けた第二回予備会合の終了時に作成された、議長ペーパーの中の勧告の一部の基礎となった.
この第二回準備会合で出された勧告には、重要な事項が含まれているが、それらはさらに強化される必要がある.この点はグリーンピースによる議長ペーパーへの注釈書に詳述してある(エネルギー関連分野日本語訳。オリジナルはGreenpeace Annotations and Comments on the Chairman's paper をご参照ください[英文]).
世界各国で行われてきた世論調査は、気候変動に対して行動をとることに高い支持があることを示している.米国民も含めて各国市民は、各国政府が地球環境を気候変動から守ることを当然のことながら期待している.殊に、1992年に締結された気候変動に関する国連枠組み条約に記された、"温室効果ガスの大気中濃度を気候システムに対して危険な人為的干渉が及ぶことを防止する水準"に安定化するという目標を確認し、強化することを期待しているのである. (米国政府はしかし、最近発表した「ブッシュ案」を提示し、この責務を破棄しようと目論んでいる)
グリーンピースは、EU、日本、中国、ブラジルその他の、京都議定書にある約束を守り、米国政府に対して京都議定書への否定的態度を改めるよう求めている国々の立場を歓迎する.
ヨハネスブルグ地球環境サミットへの準備段階において、各国政府は以下のことが必要である:
再生可能エネルギーやエネルギー効率化の技術を本格的に導入するために、各国政府は、こうした20億人の人々に基本的な持続可能なエネルギーを供給するために必要な社会資本の整備と財源とを、10年以内に確保することを約束しなければならない**.
経済開発協力機構(OECD)諸国の政府は、エネルギー分野での貸付や支援の20%をまず目標として、再生可能エネルギーの開発とエネルギー効率向上のプログラムに対して投資することを輸出信用機構を経由して保証すること.それに次いで5年以内に、再生不可能な、すなわち従来型のエネルギーに関する支援を段階的に廃止し、同時に各国が出資する国際金融機関のすべてが同様の約束をするよう保証することが必要である.
すべての政府は、従来型のエネルギー源への補助金(年間32.5-39兆円と推計される)を10年以内に段階的に廃止するべきである***.
* the G8 Task Force on Renewable Energy 2000年の沖縄サミットで設置が決った.
** これは、他所の開発プログラムから調達するのではなく、あらたなにこの目的のために設けなければならない.エネルギーの享受は、それのみでは何十億もの人々を苦しめている貧困を緩和したことにはならないが、貧困の緩和のために不可欠な要素である.
*** これには、従来型のエネルギー源やその輸出に過度に依存している途上国の経済が無用な混乱に陥ることを避けるための、移行計画と時間的猶予を含んでいなければならない.京都議定書に署名した各国は、従来型エネルギーに関して検証し、報告し、それへの補助金の段階的廃止することをすでに約束している.すべての政府は積極的に国内の再生可能エネルギー導入基準や、エネルギー効率基準、その他再生可能エネルギー市場を作る支援策を約束すべきである(これらに取組みむ責任は、条約の"共通のしかし差異のある責任"という原則に基いて、先ずOECD諸国に課されるべきである.