熱帯地域だけでなく温暖地域でも、温暖化により、世界各地で氷河が消えつつある。以下に、最新の調査と予測の例をいくつか示す。
キリマンジャロ山の氷冠(万年雪)は、雪と氷が融けだして、急速に減少しており、10〜20年の間には完全に消失すると予測されている。そうなれば、キリマンジャロの氷雪を起源とする水に依存している人々の生活は、乾季には深刻な困難に直面するだろう。2001年2月、アメリカの地質学者、オハイオ州立大学バード極地調査センターのロニー・トンプソン(Lonnie Thompson)教授が発表した調査によると、1912以降、キリマンジャロ山の氷冠全体の80パーセント以上が既に失われてしまった。観測の始まった1912年当時は、山の斜面には、12km2の雪、氷、氷河が観察されていた。同教授の調査では、1989年以降に氷塊の33パーセントが消失したことが明らかにされている。残る万年雪は約2km2になっており、最新の予測によると、この10〜20年のうちに融けてしまうだろうという。類まれなアフリカの景観が、永遠に消え去ってしまうのだ。
ケニア山の最大の氷河、ルイス氷河は、1963年以降40パーセントに縮小した。
チベットのシシャバンマ山頂近く、幅2kmのDasuopu氷河の掘削調査により、20世紀最後の10年間が、過去1万年で最も気温が高かったことが判明した。またインドのドクリアニ-バルナック氷河は厳冬であったにもかかわらず1998年に20m縮小し、ガンゴルチ氷河は30mも後退した。科学者の予測では、このペースでいくと、中央および東ヒマラヤの氷河は2035年までにすべて消失してしまうという。
直径154mのクエルカヤ(Quelccaya)氷冠は、1963年以降20パーセント縮小した。
1980年にあった氷河の半分が消失している。
ベーリング氷河は5,170km2の範囲に広がる北米最大の氷河で、場所によっては800mの厚さがある。20世紀の間に、氷河の開口部は130km2減少した。さらに航空写真を見ると、この氷河はこの50年間で130m薄くなっている。