極北地域では、気候の温暖化が地球の平均の3倍の速さで進んでおり、その結果、極北の海の氷が溶け出しています.過去40年の間、氷の厚さは40%以上減り、毎年オランダの国土(4万km2/九州とほぼ同じ)よりも広い面積の氷が失われています.これは極北に暮らす民族と野生生物に深刻な影響を与えています.
氷が薄くなることで狩猟がより危険なものになり、また凍結の時期が遅く、割れる時期の早まることによって狩猟や漁業の季節が短くなっています.降雪や降雨の変化は、鳥や獣の食べる植物の成長に影響を与え、ツンドラの植生の量や質にも変化が現れることが予想されます、これらはツンドラに生きる先住民族の食糧源が失われる重要な原因となるおそれがあります.
アラスカの北西部の沿岸地方.この地で、人々は4000年以上も生活を続けてきました.今日では地域の学校も整備され、除雪車やコンピューターなど工業化社会の技術の利用こそありますが、収穫や自然の恵みを共有する文化的な伝統がいまでもここに暮らす民族の中心であることは変わりません.
この地方の多くの地域社会には道路がなく、人々は雪や氷の表面を道として移動しています.海表面の氷や地表を覆う雪が減少していくことは、こうした地域社会が孤立することにつながります.

極北の野生生物にも同様の脅威が迫っています.ホッキョクグマは、海の氷結する季節が短くなっていることにより、狩猟の時期が短くなり、飢餓に直面しています.また気温の上昇と気圧の低下により降った雪が掘り起こせないほどの硬さになって地面を覆うため、カリブーが雪を掘って草を食むことが次第に困難になってきています.
その地の人と自然の営みの存続(subsistence)には、その地で食糧を確保するということ以上の価値があるのです.狩猟や採取により生活の糧を得ることと、そうした営みを支える精神的な基盤を分かち合うことが家族や世代そして地域社会を互いに一つに結びつけています.

気候変動の影響はしかし、ツンドラと海というその地の自然に深く根差した人々に、これまでにない脅威をもたらしているのです.
グリーンピース・ジャパン Webサイト内の情報
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